門真の説明会では、2024年のオフィスリニューアルに合わせ、TOLSO+を設置したフロアを見学した。
天井の電力を供給するレールは、比較できるように従来のTOLSOとTOLSO+に分かれている。タブレットを使って切り替えると、オフィス内が柔らかい雰囲気に変わる。電源が内蔵されたTOLSO+は形状がスッキリしているだけでなく、台数も半分なのでオフィス上部の圧迫感も解消される。
パナソニックEW社は、TOLSO+を「モノ売りからコト売りへ」の方針転換を象徴するLED照明器具と位置付ける。製品単体としての魅力だけでなく、空間全体の価値を提案していく姿勢を明確に打ち出している。ライティング事業部としては商品価値(モノ売り)から空間価値(コト売り)への構成比率を2023年の15%から2030年に40%まで引き上げる目標を掲げる。
事業方針の変化に基づき、TOLSO+を皮切りに、快適性と意匠性を兼ね備えた照明器具のシリーズ展開も視野に入れている。照明を単なる「設備機器」から「空間の主役」へと役割を見直すことで、高度な空間価値の創出が可能となる。
TOLSO+の累計販売台数や導入件数など具体的な数値は未公開ながらも、今後のマーケットシェア拡大を見据え、国内外での販売展開も強化する見通しだ。
照明は空間設計で、後回しにされがちな存在。しかし、TOLSO+のような製品を通して、照明そのものが空間を形づくる中心となる未来が見えてくる。今回の説明会は、その兆しを感じさせるものだった。
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