パナソニック エレクトリックワークス社は、従来の製品売りではなく空間価値を提供する電源一体型のLEDスポットライト「TOLSO+」を発売した。新モデルは光のムラやデザイン性、コストなど従来モデルにあった照明設計上の課題を解消した。
パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW社)は2025年4月、電源一体型のLEDスポットライト「TOLSO+(トルソープラス)」を発売した。従来のTOLSOシリーズをベースに、オフィス向け照明としての課題を解決し、省施工、高快適性、高効率を同時に実現した。
本稿では、2025年5月20日に大阪府門真市で開催した説明会で、実機デモを交えた従来製品からの進化ポイントと、今後の空間設計に与える影響についてレポートする。
TOLSOシリーズを企画した背景には、近年のオフィス空間での照明ニーズの変化がある。特にABW(Activity Based Working:業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択する働き方)と呼ばれる働き方の浸透により、オフィスには集中/リラックス/対話など多様な活動が想定され、空間ごとに適した照明環境が求められるようになった。そのため、パナソニックEW社は「メリハリ照明」というコンセプトのもと、空間に応じて照度や色温度を調整する照明ソリューションを提案している。
照明は単なる明るさの提供にとどまらず、働きやすさや空間の印象を大きく左右する重要な要素だ。近年は、ウェルビーイングや健康経営といった観点からも、快適な照明環境の整備が注目されている。内装設計の専門家も「照明を変えるだけで空間の印象ががらりと変わる」と指摘しており、パナソニックEW社でもその効果を広く普及させたいと考えている。
前モデルのTOLSOを導入した奈良県庁では、従来型の均一照明からメリハリ照明に変更したことで、職員の集中力が向上し、リラックス効果も高まったとの声が寄せられた。特に「学生からのこんなところで働きたいとの反応があった」「カフェのような空間で、自然と会話が生まれる」など、働く環境の質向上に直結する意見も多く挙がったという。
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