空間設計の主役となるLEDスポットライト パナソニックEW社の「モノ売りからコト売りへ」ライティングデザイン(1/3 ページ)

パナソニック エレクトリックワークス社は、従来の製品売りではなく空間価値を提供する電源一体型のLEDスポットライト「TOLSO+」を発売した。新モデルは光のムラやデザイン性、コストなど従来モデルにあった照明設計上の課題を解消した。

» 2025年05月30日 08時29分 公開
[松永弥生BUILT]

 パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニックEW社)は2025年4月、電源一体型のLEDスポットライト「TOLSO+(トルソープラス)」を発売した。従来のTOLSOシリーズをベースに、オフィス向け照明としての課題を解決し、省施工、高快適性、高効率を同時に実現した。

 本稿では、2025年5月20日に大阪府門真市で開催した説明会で、実機デモを交えた従来製品からの進化ポイントと、今後の空間設計に与える影響についてレポートする。

2025年5月20日の説明会で、「TOLSO+」を手に持ち、特徴を解説するパナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部 ライフスタイルライティングBU 商品企画部 上田大輔氏 2025年5月20日の説明会で、「TOLSO+」を手に持ち、特徴を解説するパナソニック エレクトリックワークス社 ライティング事業部 ライフスタイルライティングBU 商品企画部 上田大輔氏 筆者撮影

オフィス照明の新たな潮流:ABWとメリハリ照明

 TOLSOシリーズを企画した背景には、近年のオフィス空間での照明ニーズの変化がある。特にABW(Activity Based Working:業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択する働き方)と呼ばれる働き方の浸透により、オフィスには集中/リラックス/対話など多様な活動が想定され、空間ごとに適した照明環境が求められるようになった。そのため、パナソニックEW社は「メリハリ照明」というコンセプトのもと、空間に応じて照度や色温度を調整する照明ソリューションを提案している。

ABWオフィスに合わせて、オフィスでスポットライトの活用が始まった ABWオフィスに合わせて、オフィスでスポットライトの活用が始まった 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

 照明は単なる明るさの提供にとどまらず、働きやすさや空間の印象を大きく左右する重要な要素だ。近年は、ウェルビーイングや健康経営といった観点からも、快適な照明環境の整備が注目されている。内装設計の専門家も「照明を変えるだけで空間の印象ががらりと変わる」と指摘しており、パナソニックEW社でもその効果を広く普及させたいと考えている。

従来のスポットライトに求められる役割 従来のスポットライトに求められる役割 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
スポットライトを活用した照明手法を「メリハリ照明」と命名 スポットライトを活用した照明手法を「メリハリ照明」と命名 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
メリハリ照明により快適性の向上を実現(左)、メリハリ照明で、省エネ性の向上を実現(右) 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

 前モデルのTOLSOを導入した奈良県庁では、従来型の均一照明からメリハリ照明に変更したことで、職員の集中力が向上し、リラックス効果も高まったとの声が寄せられた。特に「学生からのこんなところで働きたいとの反応があった」「カフェのような空間で、自然と会話が生まれる」など、働く環境の質向上に直結する意見も多く挙がったという。

奈良県庁への導入事例 奈良県庁への導入事例 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
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