戸田建設は、多目的最適化技術を活用したZEB設計支援ツール「とだゼブくん」の社内運用を開始した。意匠図を基に、コストや省エネ性能などを同時に最適化し、顧客の要望に合わせたZEB提案を可能にする。
戸田建設は2025年5月9日、多目的最適化技術を活用したZEB設計支援ツール「とだゼブくん」を開発し、4月から社内運用を始めたと発表した。意匠図を基にコストや省エネ性能など相反する要素を同時に最適化し、顧客の要望に合わせたZEB提案を可能にする。
新開発のツールは、イタリアのESTECOが開発した最適化支援ツール「modeFRONTIER」をZEB設計に応用したもの。意匠図から建物情報を抽出後、外皮仕様の自動選定と熱負荷計算を経て最適な空調機器を選定する。これらの情報を建築研究所の「WEBPRO」に自動転記してBEI(Building Energy Index)を算出。さらにBEIとコストの関係を評価し、外皮や空調機器の仕様を自動調整して再計算を実施する。結果はグラフで可視化し、「コスト重視」や「省エネ重視」など顧客の優先順位に応じた最適な意思決定を支援できる。
数百パターンのケーススタディーを短時間で作成、分析可能で、従来手作業では1〜2週間かかっていた作業を数時間に短縮する。
戸田建設は「とだゼブくん」を核に、2025年度までに自社が手掛ける設計、コンサルティング業務のZEB化率50%以上を目指す。将来はBIMとの連携やコストとホールライフカーボンの最適化機能の拡充なども進め、より包括的なZEB支援ツールへと発展させる計画だ。
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