東急建設と東京理科大学は、省CO2と省力化を実現するコンクリート「ハイプロダクリート」を共同開発した。2025年度中に現場適用する計画だ。
東急建設は2025年5月7日、東京理科大学と共同で、CO2排出量削減と施工の省力化を実現するコンクリート「ハイプロダクリート(High-producrete)」を開発したと発表した。実構造物を模擬した壁部材による実大施工実験で、従来コンクリート比最大73%のCO2排出量削減、58%の施工時間短縮を確認した。2025年度中の現場適用を予定している。
ハイプロダクリートはポルトランドセメントを混和材に置き換えたコンクリート。今回開発したタイプは一般的な新設の土木構造物のコンクリート工事に適用することを想定し、混和材として高炉スラグ微粉末を多く使用して流動性を高めた。構築した壁は初期欠陥がない外観で、表面気泡や色むらも少ない良好な出来栄えだったという。
開発品のコンセプトは、ポルトランドセメントの大部分を副産物やリサイクル材などの資源循環材料による混和材に置き換えることでCO2排出量を削減し、スランプ管理コンクリートよりも流動性を高めて施工の合理化や省力化を図ること。
高炉スラグ微粉末置換率が70%の「B70」と80%の「B80」の2種があり、呼び強度は24/27/30(製造から28日後の圧縮強度の保証値)、単位水量は1立方メートル当たり175キロ以下、水結合材比は40〜55%程度。
この技術は、国土交通省関東地方整備局の「大学等研究機関とのマッチング」制度に採択された東京理科大学の研究テーマ「混和材大量使用締固めを必要とする高流動コンクリートの開発」を通じて開発された。
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