旭化成アドバンス、土木管理総合試験所、小岩金網は、現場発生土を活用したソイルセメントによる「円形コンバック」工法を実用化した。
旭化成アドバンスは2025年4月16日、土木管理総合試験所、小岩金網と共同で、現場発生土を活用したソイルセメントを中詰材に利用する円形コンバック工法を実用化し、事業化したと発表した。
新工法は、掘削で生じた土砂にセメントと水を混合してソイルセメントを製造し、円形コンバックの中詰材とすることで、大型ブロック積擁壁を現場打設方式で構築できる。円筒形の金網を型枠とし、内袋はソイルセメントの余剰水を効率的に排水させて硬化速度を高める。現地の地形に応じた柔軟な施工が可能で、重量物の運搬が困難な山間部や狭あい地での施工性が向上する。
従来の円形コンバック工法ではコンクリートを充填材として用いていたが、山間部へのセメント輸送がネックとなっていた。新工法は現場発生土を活用することで土砂排出を抑制し、運搬コストや処分コスト低減にも寄与する。また、大型土のうを使用する工法に比べ、仮設/撤去/本設の3工程を1工程に短縮でき、土砂崩落や豪雨災害時の復旧工事を迅速化。二次災害リスクの低減にもつながる。
なお、工法に関する「粘性土ソイルセメントの製造方法、粘性土ソイルセメント成形体の製造方法」を特許出願中。
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