新幹線のトラス橋をドローンレベル3.5飛行で点検 スカイピークとJR東海が実証実験ドローン

スカイピークとJR東海は、東海道新幹線のトラス橋で、ドローンレベル3.5飛行による鉄道設備点検の実証実験を行った。ドローン運航管理システムと経路逸脱検知機能を組み合わせて活用し、列車の安全運行に支障なく十分な距離を保ちながら点検業務を実施できると確認した。また、目視外/自動飛行での遠隔オペレーションなどの管理体制についても検証を行った。

» 2025年05月07日 16時00分 公開
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 スカイピークとJR東海は2025年4月21日、東海道新幹線のトラス橋(愛知県一宮市〜岐阜県羽島市の区間)で、ドローンレベル3.5飛行による鉄道設備点検の実証実験を行ったと発表した。ドローン運航管理システム(UTM)と経路逸脱検知機能を組み合わせて活用することで、列車の安全運行に必要な離隔を確保しながら点検業務が実施できることを確認した。

ドローンレベル3.5飛行による鉄道設備点検の実証実験 ローンレベル3.5飛行による鉄道設備点検の実証実験 出典:スカイピークプレスリリース

 JR東海はこれまで、従来の係員による目視点検に加えて橋梁(りょう)などの設備で目視内飛行(レベル1〜2)でドローンを利用してきた。また将来の労働力人口の減少を見据え、目視外飛行(レベル3〜4)導入による業務効率化を検討している。レベル3.5飛行は無人地帯での目視外飛行で、機上カメラの活用と操縦ライセンスの保有、保険加入を条件に、補助者配置や看板設置などの立ち入り管理措置を不要とし、道路や鉄道などの横断をより容易にした飛行方式を指す。

 実証は2025年3月24日に実施。イームズロボティクス製「UAV-E6106FLMP2」を使用してレベル3.5飛行で撮影を行い、トラジェクトリー社のUTM「TRJX」による飛行計画管理と経路逸脱検知機能を組み合わせて運用した。列車の安全運行に支障なく、十分な距離を保ちながら点検業務を実施できることが実証された。また目視外/自動飛行での遠隔オペレーションなどの管理体制についても検証を行った。

 両社は2024年12月、鉄道施設でのドローン目視外飛行運用の検討に関するコンサルティング契約を締結している。今後も、鉄道設備点検業務の効率化、高度化に向けて検討を進めていく方針を示した。

使用UTM「TRJX」。今回の検証では赤色への進入を経路逸脱と取り扱うように設定(左)、使用機体「UAV-E6106FLMP2」(右) 使用UTM「TRJX」。今回の検証では赤色への進入を経路逸脱と取り扱うように設定(左)、使用機体「UAV-E6106FLMP2」(右) 出典:スカイピークプレスリリース

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