静岡県焼津市の橋本組は、MetaMoJiの施工管理アプリ「eYACHO」に新たに追加したビデオ通話機能「GEMBA Talk」を活用している。現場状況を映像と音声で即時に共有でき、遠隔地間の協議や現場の若手社員をサポートするツールとしてノウハウ継承にも役立てている。
MetaMoJiは2025年4月10日、施工管理アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」に追加したビデオ通話機能「GEMBA Talk」を静岡県焼津市の地場ゼネコン「橋本組」が導入したと発表した。
リアルタイムに現場情報を共有できるeYACHOに、ワンクリックで使えるビデオ通話機能が加わることで、映像と音声で現場状況がリアルに共有できるようになる。そのため、現場からの問い合わせに熟練者が即座に対応するなど、現場の若手社員をサポートするツールとして有効活用している。
1922年に創業した橋本組では、人材の確保と社員の高齢化を打破し、事業を継続するために、2018年の働き方改革関連法の成立に合わせ、ドローンの導入、現場監督へのタブレット端末支給や社内フリーアドレス制、各部署の事務作業の効率化を支援する技術支援部門の組織化など、会社を挙げてDX推進に取り組んできた。その一環で施工管理アプリのeYACHOを導入し、業務を見直し、ペーパーレス化を進め、安全パトロールをクラウド上で完結するなど業務効率を向上させてきた。
しかし、建設現場では、事務所と現場はもちろん、同じ現場内であっても地上と上層階など、移動に時間がかかる遠隔地同士で協議が必要になる場面が多く発生している。現在はWeb会議システムなどの活用が進んでいるが、会議を実行するには各種設定や通知が必要なため、誰もが簡単に使えるわけではない。
そこで橋本組は、問題解決のためにGEMBA Talkを採用した。GEMBA Talkは、eYACHOのシェアノートからワンクリックで利用できるビデオ通話機能だ。従来の電話やWeb会議ツールに比べてURL発行などの面倒な手間がなく、誰でも簡単に使える点が特長だ。
橋本組では、遠隔地でも手元のタブレットを通して現場にいるかのように状況をリアルタイムで共有し、円滑な協議や素早い現場フォローに活用。施工品質が向上するとともに、現場の負担や持ち帰り業務が削減され、結果的に労働時間の短縮につながるなど、DXの効果が連鎖している。社内からは、「現場からの問い合わせに即時対応できる」「ミーティングのために全員が1カ所に集まる必要がない」「経験の浅い若手社員のサポートツールになる」といった声が挙がったという。
現在、橋本組ではスローガン「トリプル1000」を掲げ、社員の平均年収を1000万円にすべく、年間1000億円の売上を達成し、それを支える1000人の技術者を育てる目標を掲げている。既に数年前から新卒採用は年間20人ペースとなり、新卒採用強化とともにDXによる業務と組織の改革を強力に進めている。そうした中で、業務をシームレスなものにするeYACHOは必要不可欠なツールとなっているという。
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