ゴーレムと大林組は共同で、大林組が手掛ける物件の排出量算定業務を自動化する取り組みを開始した。AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定する「Gorlem CO2」を使用する。
ゴーレムは2025年5月1日、大林組と共同で、AIを活用して建物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定するシステム「Gorlem CO2(ゴーレムシーオーツー)」を使い、大林組が手掛ける物件の排出量算定業務を自動化する取り組みを開始したと発表した。
建物分野のCO2排出量削減にあたっては、材料調達から施工、使用段階を経て解体、廃棄までに発生する排出量を正確に算定する必要がある。各部材を所定のCO2排出原単位と照合する作業が必要で、専門知識を持つ技術者による手作業では、多くの時間と工数を要することが課題となっていた。
Gorlem CO2は、AIが見積明細の仕分けや数量集計を代行し、算定作業に要する時間を従来比75%以上削減できる。学習データには大林組が蓄積してきた建物ライフサイクル評価のノウハウやデータを活用。また、各種業界団体が推進する算定ツールにも対応し、建築主の要望に応じたデータ提供が可能だ。
両社は今後、竣工予定物件を中心に、システムを活用した効率的なCO2排出量算定を試行する。用途や構造、規模が異なる多様な建物データを蓄積することで、さらにシステムの利活用を図る。将来は建物のライフサイクル全体でのCO2排出量削減に寄与する合理的で訴求力のあるプランを建築主に採用してもらうことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。
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