西松建設は、ダムコンクリートの打継ぎ面処理を自動化するマシンを開発した。「グリーンカット作業」を機械化して省人化を図る。2027年度までに完全自動化システムの完成を目指す。
西松建設は2025年3月28日、ダムコンクリートの打継ぎ面処理を自動化するマシンを開発したと発表した。従来は人手で行っていた過酷な「グリーンカット作業」を機械化して省人化を図る。既に建設中のダム現場で試験施工を完了。今後は自律走行制御の実装や品質管理システムとの連携を進める計画だ。
グリーンカット作業は、コンクリート打設時にセメントや骨材の微粒子が表面に浮き上がって形成される「レイタンス層」を除去する工程。ダムの打継ぎ面の強度を確保するために不可欠で、作業員がハンドポリッシャーなどを使って数百平方メートルに及ぶエリアを処理する。
新開発のグリーンカットマシンは中山鉄工所のマイクロ建機「MSD700」をベースとし、油圧ショベルタイプと比較してサイズを約2分の1に小型化した。マシン本体部(上物)が旋回し、アーム先端に取り付けた回転ブラシがレイタンス層を削り取る。狭い現場でも取り回しやすく、ハンドル部分とマシンのアームをスライド可動させることで回転ブラシの押し当て圧力を安定化させ手作業と同等の処理品質を実現した。操作は専用リモコンで行い、自動で定常作業を続ける「自動モード」も搭載している。
2024年12月には、西松建設JVが施工する宮城県発注「川内沢ダム」で試験施工を実施。1台1時間あたり最大40平方メートルの作業能力を確認した。処理面のムラやブラシ圧力のばらつきもなく、支障物のないエリアでは人力作業をマシンによる自動作業に置き換えることが可能だとした。
今後はSLAM(自己位置推定)技術を用いた自律走行を実装する他、作業エリア全体の処理品質を定量評価する品質管理システムを構築し、品質データはBIM/CIMなどの統合データベース上で管理する。
2027年度までにグリーンカット作業と品質管理の完全自動化システム完成を目指す。
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