大林組は、近鉄生駒レジャーが運営する奈良県生駒市の「生駒山上遊園地」に3Dプリンタを活用したチケット売場を建設した。
大林組は2025年3月26日、近鉄生駒レジャーが運営する奈良県生駒市の「生駒山上遊園地」に、3Dプリンタを活用したチケット売場を建設したと発表した。
新設したチケット売場は、2.7(高さ)×2.5(横幅)×2.5(奥行き)メートル。3Dプリンタ用特殊モルタルと超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を組み合わせた複合構造により、形状の自由度を向上させた。工場で外殻部を5つの部材に分割してプリントし、下部から順に組み立てながら内部にスリムクリートを充てんする方式で製作。プリント厚さやノズル角度の制御により、自在に傾斜した湾曲を持つ部材の製造を実現した。
構造物は緑豊かな園内の景観との調和を考慮し、樹木をモチーフにデザインした。枝や幹に相当する部分にはプランターを組み込む構造を採用しており、植栽と建物が一体化した有機的な外観とした。
大林組はこれまで、3Dプリンタ実証棟「3dpod」の建設や大型土木構造物のプレキャスト部材への適用などにより建設用3Dプリンタを活用してきた。今後も多様化する建築ニーズに対応するための技術開発に注力していく。
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