日鉄興和不動産は、品川インターシティでHondaの着座型ハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」を活用したオフィスビル管理業務の実証実験を実施。清掃業務について、徒歩で作業した場合と比べて清掃時間を平均で約25%短縮、1日当たりの歩数を約40%削減できることを確認した。
日鉄興和不動産は2025年3月27日、品川インターシティマネジメントと共同で、Hondaの着座型ハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」を活用したオフィスビル管理業務の実証実験結果を公表した。清掃時間の短縮や作業員の歩数削減など、業務効率向上と作業負担軽減などの効果があったと報告した。
実証実験は2024年11月5日から2025年3月31日にかけて東京都港区の複合施設「品川インターシティ」で実施。UNI-ONEを清掃と物流業務に導入し、有効性を検証した。
清掃業務では、清掃用品メーカーのテラモトの協力を得て、UNI-ONEに適した柄の長い清掃用具を用意し、移動中に固定できるアタッチメントも装着した。施設外構部や共用部の掃き掃除、モップ拭きなどの作業をUNI-ONEに搭乗したまま行い、徒歩で作業した場合と比べて清掃時間を平均で約25%短縮、1日当たりの歩数も約40%削減できた。
加えて、車いすユーザーによるUNI-ONEでの清掃作業についても検証し、一般的な清掃業務と同様の作業が行えることが実証された。作業時の体の固定方法やひじ掛けの設置など、ユーザー目線での改善点も明らかになった。
物流業務では当初、台車を用いた配送を想定し、UNI-ONEにあわせて持ち手の長さなどを改良した。しかしUNI-ONEに搭乗した状態で台車を押しながらオフィスバックヤードの鉄扉を開閉することが難しかったため、既存オペレーションとは異なる配送バッグを使い、テナント向けの小物配送で運用を検証した。徒歩での配送に対し、1回の配送(約1時間)で歩数を約80%削減できた。
今回の実証により、モビリティ導入が清掃/物流業務の効率化と労働負荷の軽減に寄与する可能性が示された。車いす利用者や高齢者など多様な人材が活躍機会創出にもつながることが確認された。一方でモビリティを効果的に活用するには、建物構造の改修やオペレーション見直しなどの対応も求められる。今後、これらの課題解決に向けた取り組みを進める。
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