実験の結果、導き出された自然光の照明構成は、天空光模擬照明で高色温度(10000K)の小型投光器によるコンクリート壁面への広角照明と、太陽直射模擬照明で中昼温度(5000K)の小型灯光器による樹木への狭角照明となった。2つの組み合わせで屋外環境での樹木のコントラストが強まり、自然環境に近いきらめき感を再現した。
茗荷谷キャンパスは2023年4月の開校後、1年後に建物全体の利用者と窓際のみの利用者にアンケート調査を実施した。「研究室で太陽光を感じるか」の問いには、本来地下空間で感じないはずの太陽光を全体で約半数、窓際で55%が感じると回答。「昼と夜のどちらがリラックスできるか」の問いでは、全体ではほぼ同率だったが、窓側では約半数が照明が点灯している昼の方がリラックスできると、効果が証明された。
「窓の外が太陽光を模した照明器具だ」と種を明かす問いには、気付いていなかった回答者は全体で63%、窓側のみでは45%となり、太陽光を感じているにもかかわらず、照明とは認識されていないことが判明した。
日建設計では茗荷谷キャンパスでの実証を糧に、今後も同種の照明開発を継続していく。現状では明るさが不足する居室や窓からの光を感じにくい奥行きの深いオフィス、隣接する建物の影響で採光が困難な場所など用途は限られているが、病院や介護施設、スポーツ関連施設など潜在的需要は多いため、これからの技術進化に期待できそうだ。
不動産テック:ショウタイム24の無人内見システムとLIXILのIoTホームリンクが連携、内見者に快適な室内環境を提供
現場管理:ダイダンがウェルネス現場事務所を全社展開、試験導入で8割が「満足」
木造/木質化:英国でS造オフィスを木造増改築、ライフサイクル全体のCO2排出量削減 住友林業と芙蓉総合リース
スマートホーム:スマートホームの標準規格「Matter」に対応したスマートロックを発売、美和ロック
第9回 JAPAN BUILD TOKYO:総合スマートホームサービス「HOMETACT」の導入物件が拡大、賃料アップや空室期間短縮にも寄与
ロジスティクス:埼玉三郷で三菱地所らの延べ13.5万m2物流施設が着工 東急建設の設計・施工で2026年完成Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10