三菱地所、JR九州、住友倉庫の3社が、埼玉県三郷市で計画していたダブルランプ型5階建て物流施設が着工した。設計・施工は東急建設で、竣工は2026年8月。
三菱地所、九州旅客鉄道(JR九州)、住友倉庫は2025年1月14日、埼玉県三郷市の三郷北部土地区画整理事業地で進めてきた大規模マルチテナント型物流施設の安全祈願祭を執り行い着工した。併せて施設名称は「ロジクロス三郷」に決定し、竣工は2026年8月の予定。
物件は三菱地所の物流施設「ロジクロス」シリーズ第23号物件で、三菱地所出資の特定目的会社、JR九州、住友倉庫の3社による共同事業。JR九州にとっては初の首都圏での物流施設開発で、住友倉庫にとっては不動産事業で物流施設開発への本格進出となる。
施設の構造と規模は、地上5階建ての柱RC/梁(はり)S造で、延べ床面積は約5万4535平方メートル。コンストラクションマネジメントは三菱地所設計、設計・施工は東急建設が担当し、2025年1月14日の着工、2026年8月の完成を見込む。
建設地は埼玉県三郷市彦糸2丁目の区画整理地内で、敷地面積は約5万4535平方メートル。外環三郷西ICから約2キロとインターチェンジ至近に位置し、首都高速道路、常磐自動車道、東京外環自動車道が結節する三郷JCTを経由して、東京都内や関東一円へのアクセスに優れる配送利便性の高い立地。最寄りのJR武蔵野線「新三郷」駅からは近くまでバスが運行しているため、雇用も確保しやすい。
施設設備は区画整理事業エリア内の物流施設で唯一ダブルランプを備え、効率的な搬入や搬出が実現する。一般倉庫では保管できないアルコールや化粧品類、電気自動車の普及に伴い需要が拡大しているリチウムイオンバッテリーなど、消防法上の危険物第4類相当が保管可能な危険物倉庫を配置し、多様なニーズに対応する。
施設内は中央車路を採用し、最小募集区画は約950坪とテナントの小割ニーズにも応じる。各区画内には駐車場として利用できるトラックバースを設け、車庫証明も取得可能など車両運用の自由度が高い施設計画としている。
テナント従業員満足の向上では、複数の休憩室を設置。最上階の休憩室は屋上テラスと一体利用できるため、テナント従業員のリフレッシュ空間として快適性や生産性向上につなげる。
防災面では非常用発電機で災害時や緊急時の電力供給を確保し、災害時でも施設運用の持続可能性をサポート。
屋上には太陽光発電設備を導入し、再生可能エネルギーで施設内の一部電力を賄う他、全館LED照明、節水型衛生器具などで環境や省エネルギーを考慮した施設計画となっている。将来はCASBEE建築評価認証で最高ランク「S」の取得に加え、年間の一次エネルギー消費量を実質的にゼロとする最高ランク「ZEB」認証の取得も見込む。
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