総合不動産デベロッパーの阪急阪神不動産は、建設プロジェクト向け統合プラットフォーム「Autodesk Construction Cloud(ACC)」を採用した。建物のライフサイクル全体にわたるデータの一元管理で、維持管理業務の効率化と品質向上に加え、ゼネコンやサブコンとの円滑なコミュニケーションが期待されている。
米Autodeskは2024年2月19日、総合不動産デベロッパーの阪急阪神不動産が「Autodesk Construction Cloud(ACC)」を採用したと発表した。
ACCは、設計・施工・維持管理の建設生産プロセスのあらゆる段階をBIMデータでつなぎ、建設プロジェクト全体のコミュニケーションを一元化/最適化し、適切な意思決定の支援、業務の効率化、コスト可視化などを実現する建設プロジェクト向け統合プラットフォーム。
阪急阪神不動産のマンション事業部門では、建設DXの推進に向け、BIMの将来性を感じており、活用法を模索する中で、発注者の立場としてACCを導入するに至った。ACCの高度なBIM機能は、建物のライフサイクル全体を通じてデータの一元管理を可能にし、維持管理業務の効率化と品質向上に寄与する。
さらに、発注先となるゼネコンやサブコンとの円滑なコミュニケーションにも役立つ。
ACCは、設計から施工、引き渡しまでの全てのプロジェクトフェーズで統合されたプラットフォームを提供し、プロジェクトの透明性と効率性が向上する。そのため、発注者としての役割が強化し、協力会社とのプロジェクト遂行が一層スムーズに進むことが見込まれている。
阪急阪神不動産は、新プロジェクトの「ジオ阪急川西 The Front」で、マンションの修繕周期を長期化させ、購入者が安心して住み続けられる住まいを提供することを目指している。そのため、高耐久仕様の使用範囲などについて、綿密に打ち合わせする必要があった。そこでBIMを活用することで、施工や維持管理方法の可視化を実現し、プロジェクトを効率的に推進させることに決めたという。
阪急阪神不動産 住宅事業本部 マンション事業部 品質管理グループ 課長補佐 森岡丈晴氏は、「ACCを駆使して、BIM データに打ち合わせ記録や図面の変更履歴を残すことが、プロジェクトの成功に重要な役割を果たせると感じた。ACCは、事業主、設計者、ゼネコン、サブコンなど、プロジェクトに関わる全ての関係者間のスムーズなコミュニケーションを実現し、プロジェクトの透明性を高め、目標達成へと導くと期待している。新たなアプローチで、建物の維持管理が一層効率的になり、未来に向けた革新的な建築の在り方を提供していきたい」とコメント。
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