新型機は、ユーザーだけでなく、施工業者の働き手不足にも配慮している。三菱電機では、実際に同社のエアコンの施工を行っている業者からの声を製品に反映し、施工/メンテナンス性を追求。施工や点検の時短を可能にする新機構を年々増やしている。
2025年の新型機では、室内機の9カ所に省力化の工夫を設けている。特に「ドレンパンの点検窓」は、従来、化粧板全体を外して直接目視する必要があったドレンパンの点検を、グリルとコーナーパネル1つを外すだけで行えるようにした。発表会に登壇した三菱電機 静岡製作所 営業部 パッケージエアコン営業課長 毛利泰紀氏によると、「これだけでも点検の手間が大きく減る」という。
新型機の冷媒には、温室効果が低い「R32」を採用。また保守管理では、IoT機器を活用した常時遠隔サービス「MELく〜るLINK for スリム」を提供する。
MELく〜るLINK for スリムを導入すると、エアコンの状態が機器の管理者や施工/メンテナンス業者にリアルタイムに通知される。管理者だけでなく実際にメンテナンスを行う業者にも同時に通知されるため、万が一冷媒が漏れた際にも迅速な対応が可能だ。
またMELく〜るLINK for スリムには、エアコンをスマートフォンやタブレットで遠隔操作できる機能も搭載されている。これにより、始業前に空調の電源を入れておくなど、柔軟な使い方が可能になる。ただし、サービスを使うためには、エアコンの室外機にモバイル通信を行うセルラーアダプター(別売)を搭載する必要がある。
三菱電機が店舗/事務所用パッケージエアコンの発表会を行うのは今回が初。毛利氏は「空調を取り巻く社会課題は様々だが、省エネ、省力化、環境配慮の3点に注力した新型スリムエアコンで、社会/環境を豊かにしながら事業を発展させるトレード・オンを実現したい」と、発売に向けての意気込みを述べた。
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