大京は、エアコン1台による全館空調が可能なマンション向け空調システムを開発した。天井の吸込口や天井内のダクトを通じ、エアコンから出た気流を各部屋に送る仕組みだ。
大京は2025年1月15日、東京大学と東京理科大学との共同研究により、マンション向けにエアコン1台の全館空調システムを開発したと発表した。
新システムは、天井の吸込口と天井内のダクトを通じて、エアコンから出た気流を各部屋に送る仕組み。天井内の空調設備部材を小型化し、極力下がり天井を作らない構造で、大規模な工事が困難な既存のマンションにも導入できる。
独自のパッシブデザインの一部技術「通気ルーバー」も各居室の扉の下部に設置し、各部屋間の空気循環を促進することで、室内の快適性向上に寄与する。
大京と東京大学、東京理科大学は、2022年10月から冷暖房た換気システムの共同研究を進めてきた。2024年4月からは以前の実証実験で得たデータをベースに、システム仕様の策定や実用化に向けた一般的な住戸形状での実証実験を実施した。
2024年7月上旬から9月上旬にかけて実施した実証実験では、猛暑日でも快適に過ごせるとされる23〜28℃に室温を維持できると確認している。
大京は、実証に要する住戸の提供やマンションにおける知見を提供。大学との共同研究にて、省エネ性能や温熱快適性のシミュレーション、現場実測などを担った。また、フジモリ産業が今回より共同研究に参画。空調設備の部材提供および開発を担っている。その他では、ジツダヤが施工を担当した。
大京は今後、既存マンションにおいても同システムの導入を進め、全館空調の環境構築を図る。
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