日立ビルシステムは、ビル管理の効率化や運営品質の確保、利用者の利便性や快適性の向上などにつながるビルIoTプラットフォーム「BuilMirai(ビルミライ)」を提供している。これまでは大規模ビルを対象としていたが、新たに延べ床面積3000平方メートル以下の中小規模ビル向けにパッケージし、2024年11月に第1弾の提供を開始する。
日立ビルシステムは「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」(会期:2024年9月4〜5日、東京国際フォーラム)で、スマートビルを実現するIoT設備のプラットフォームとなる「BuilMirai(ビルミライ)」を中小規模ビル向けにパッケージにし、エレベーターと連動した入館システムやモニタリングシステムなどを展示した。
人手不足や人件費の高騰、環境配慮など、ビル関連事業にも多くの対処すべき課題がある。また、将来に向けてオフィス需要の変化やエネルギー価格の上昇といった変化する環境に対応しつつ、新たな価値や魅力をアピールする必要性も高まっている。今回のフォーラムで、日立ビルシステムがPRしたソリューションは、こうした背景を踏まえ、ビル利用者の利便性と魅力の向上、ビル管理の効率化を実現する。
日立ビルシステムと日立製作所は、これまでBuilMiraiを大規模ビル向けに提供してきた。しかし、日本で多数のアセットを占めるのは中小規模のビルで、老朽化による建て替えや改修の需要が今後は増加することも見込まれている。導入や運用時に中小規模のビルと大規模ビルとでは異なる環境があり、中小規模向けのBuilMiraiは、こうした違いも踏まえ、大規模ビルで培ったノウハウを中小規模ビル向けのパッケージにしている。
日立ビルシステムは、中小規模ビル向けBuilMiraiの第1弾で2024年11月以降、3つのソリューションの提供を開始する。本稿では、3つのうち入居者や訪問者がスムーズに入館できる入館システムと複数ビルの監視を遠隔で行えるモニタリングのソリューションを紹介する。
中小規模向けBuilMiraiで入居者や来訪者の利便性を高めるのが、「スマートセキュリティ」だ。
入居者やビルに訪れる人のスマートフォンを登録することで、オートロック解除を自動で行う。登録されたスマホとビル側の端末が無線で通信し、スマホを持つ人がエントランスに入ると自動でドアを解錠する。事前に目的階が指定された状態でエレベーターを呼び出す機能も備わっている。入居者であれば両手が荷物でふさがっていても、暗証番号の入力や鍵でのロック解除なしでそのままビルに入り、エレベーターのボタンを押すこともなく目的の階数まで乗れる。
スマートセキュリティは、スマホがBluetoothでビル側と通信。通信がBluetoothなので、スマホ本体はバッグやポケットなどに入れたままでOKなので、スマホアプリの操作も不要だ。
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