ARAVは、自社開発の後付け自動運転/遠隔操作システム「Model E」を装備した油圧ショベルを使用して、掘削からダンプ積み込みまでの一連作業を行う現場検証を実施した。
ARAVは2025年1月27日、自社開発の後付け自動運転/遠隔操作システム「Model E」を装備した油圧ショベルを用いて掘削からダンプ積み込みの一連作業を行い、安全性などを検証する実証実験を行ったと発表した。
実証実験は国土交通省の「建設機械施工の自動化/遠隔化技術の現場検証」の一環として、千葉県柏市のARAVテストフィールドで実施。参加者からは「安全面について懸念していたが現状の現場でも対応が可能ということが分かった」などの意見が上がった。
実証は、国交省の「自動施工における安全ルールVer.1.0」の妥当性の検証と、今後策定されるVer2.0、機械機能要件の策定に向けた検討協議を目的としたもの。
使用した機械は、ARAV製油圧ショベル向け自動運転/遠隔操作装置1式の他、0.7立方メートル油圧ショベル(CAT320)1台、2トンダンプトラック(XZC600T)1台。テストフィールドに無人エリア、混在エリア、管理エリア、有人エリアをそれぞれ設定し、2トンダンプトラックが現場に進入して所定位置についた段階で、油圧ショベルが土砂掘削と積み込みを実施、エリア確保の妥当性について検証した。
混在エリア(有人運転の2トンダンプと無人運転の油圧ショベル)については、安全対策として、エリア監視者の配置とIPトランシーバーによる通信連絡手段の確保、非常停止装置の配備を実施。監視者が目視確認を行うとともに、異常発見時に即座に停止措置を取ることで、事故発生リスクを低減できることを確認した。
参加者からは「機能として必要なものは満たしている」「今後さらに高度な作業の自動運転を期待する」などの評価を受けた。
油圧ショベル自動化システムは2025年6月に販売開始予定。今後、自動化システムにより、安全性と実用性を高めた無人化施工を実現させ、土木建設現場における無人化施工、省人化を目指す。
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