ヒューマンリソシアは日本で不足するBIM/CIM人材の確保を目的に、インドネシアのパラヒャンガンカトリック大学の学生を対象に、日本語教育と日本での就業支援を包括して提供するプログラムを開始する。2027年度末までにグローバルでプログラムを水平展開し、建設業向けのエンジニア派遣1000人体制を目指す。
建設業向けの海外エンジニア派遣サービスを展開するヒューマンリソシアは2024年12月20日、インドネシアの西ジャワ島にあるバンドンの私立大学「パラヒャンガンカトリック大学」、インドネシアを中心にグローバル人材紹介などを展開する日本法人キャリアダイバーシティと提携し、土木工学や建築学の学生を対象とした来日支援プログラム、「Civil(建設・建築・土木) タレントプログラム」を開始すると発表した。
パラヒャンガンカトリック大学は、エンジニア分野でインドネシアトップクラスの1955年に創立した伝統ある私大で、工学、文学、社会科学、経済学、法学など10学部46学科、29の研究課程を設置している。
プログラムは、日本で建設エンジニアとしての就業を希望するパラヒャンガンカトリック大学の学生に対し、日本語習得から来日、日本の建設各社でBIM/CIM、CAD、GIS分野の就業機会提供までを包括して支援する。
対象者は、パラヒャンガンカトリック大学で土木工学/建築学部に在籍し、2026年度以降に卒業見込みの学生。日本での居住や建設エンジニアとしての就業を希望し、日本語教育プログラムに参加して日本語を習得する意思があること。
在学中と卒業後に受講する無料の集中プログラムで学ぶ日本語教育は、キャリアダイバーシティのサポートの協力も得つつ、「ヒューマンアカデミー日本語学校」と連携した教育プログラムを用い短期間で日本語力を養成する。来日支援は、在留資格の取得、日本での住居や生活サポートなど。
就業プロジェクト例は、BIM/CIMソフトウェアを使用したモデル作成、3Dレンダリング作成、GISを使用した地理情報分析、水路/道路/トンネルなどの設計およびモデリング、オフィス/商業施設/集合住宅などの設計やモデリングなどを想定している。
ヒューマンリソシアは、IT分野で海外約30の大学と来日就業支援に向けたパートナーシップを結んでいるが、土木・建築分野での海外大学との連携は初の取り組み。プログラムを世界各国に拡大し、建設エンジニア不足が課題となっている国内の建設各社への人材供給力を高め、2027年度末までに1000人体制を目指す。
深刻な人材不足が続く日本の建設業では、BIM/CIM活用をはじめとした建設DXに向け取り組みが進んでいるが、BIM/CIMを扱える人材が不足している。ヒューマンリソシアはこれまで、知識やスキルの習得研修を実施し、BIM/CIM人材を派遣する「育成型派遣」に取り組んできた。今後さらに、BIM/CIMなどのエンジニアニーズが高まると予測されるため、人材採用強化と国内での海外エンジニア活用の促進に向け、今回のCivil タレントプログラムの開始することとなった。
インドネシアは経済面のみではなく、日本のポップカルチャーが若者に浸透しており、文化面でも日本との交流が盛んで、日本語学習者が多い国として知られている。また、建設業は近年急速に成長しており、ヒューマンリソシア調べで建設業就業者は800万人強と世界4位規模を誇る。
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