温度や換気の解析に使われたのが、アドバンスドナレッジ研究所が開発した熱流体を解析するシミュレーションソフトのFlowDesignerだ。
黒岩氏は、FlowDesignerの特徴を「国産のため日本語標準で、CADソフトと同じように操作できる。5分くらいのレクチャーを受ければ、誰でも使っていただける」と話す。既に建築設計事務所、ゼネコン、サブコン、建設コンサル、断熱材メーカーに加え、東京理科大学や芝浦工業大学で学生にも使われている。
FlowDesignerは、BIM/CIMの設計データを読み込んで空間内のシミュレーションが行えるため、施設改修の設計段階で早期に空調設備の検討が可能になる。他に設計データがない古い施設では、レーザースキャナーなどで点群を取得し、3Dデータ化して読み込めばシミュレーション用のヴァーチャル空間を構築できる。昨今はiPhoneでも点群データを取得できるため、手軽にFlowDesignerによる空間シミュレーションを試せる。
他にもFlowDesignerの発展的活用として、VRやMRでシミュレーション後の空間を表現する事例も出始めてきているという。
黒岩氏は、FlowDesignerを開発するアドバンスドナレッジ研究所が土木管理総合試験所グループの一員であることのメリットにも言及した。土木管理総合試験所は、3Dデータを生かした解析やビジュアライゼーションの提案をしている。グループ内には、点群編集ソフトを開発している会社もある。グループ内のソリューション群を連携して活用すれば、FlowDesignerで扱える用途の幅がさらに広がる。また、土木管理総合試験所グループは全国に拠点があるので、専門スタッフが現地に赴いて作業する安心感もある。
FlowDesignerのサポート体制については、月に1〜2回のペースで対面による操作体験やオンラインセミナーも開催している。セミナーでは体験版ライセンスが無償で提供されるとのことなので、問い合わせをしてみてはいかがだろうか。
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