大成建設は、土壌汚染調査/対策業務支援システム「T-CIM/SoilReme」に新機能3種を追加した。クラウドに集約した情報をもとに、タブレット端末上の3次元モデルで調査や対策工事の進捗状況を把握できる。
大成建設は2024年9月19日、土壌汚染調査および対策業務支援システム「T-CIM/SoilReme」に新機能3種を追加したと発表した。新機能では、クラウドサーバに集約したさまざまな情報をベースに、3次元モデルで土壌汚染の調査や対策工事の進捗状況をタブレットなどで把握できる。
土壌汚染調査や対策工事では、土壌汚染対策法に基づき、汚染物質ごとに汚染状況や対策の実施状況を詳細に把握し、帳票として保管することが求められている。調査や対策工事の出来形管理では、対象地域を10メートル四方のメッシュ区画で区切り、単位区画内の汚染状況や対策の進捗状況を深さ1メートルごとに正確に把握する必要がある。
しかし、複数の汚染物質が点在、または周囲を汚染物質で囲まれ、対象区画の汚染状況を的確に把握できないケースや対象敷地が広大な場合には、汚染や対策の状況把握に多くの手間と時間を要していた。
そこで、大成建設は施工管理用3次元モデルを活用し、複雑で多岐にわたる情報を迅速に把握して円滑に共有できるように、T-CIM/SoilRemeを機能拡張した。
新機能では、掘削除去工事の施工管理用3次元モデルを活用することで、3次元で現場状況の把握が可能になる。従来の調査図面などで把握しづらかった対策工事の進捗状況などを可視化し、専門知識がなくても現場での作業状況が容易に分かる。3次元モデルは現場ごとにカスタマイズできるため、汚染土壌の施工ステップや搬出先に合わせて色を変えられる。
掘削除去工事の施工管理では、タブレットを介して出来形管理の情報を入力することで、掘削深度などが設計値を満たしているかどうかを帳票上に表示できる。これまで工事の未完了区画を確認するには、工事区画ごとの帳票をその都度チェックする必要があったが、3次元モデルのため、汚染土の取り残しの有無が一目で判別できる。
さらに、複数区画から汚染された区画や標高表示を抽出して表示する機能も追加した。そのため、汚染状況や工事の進捗状況、掘削除去計画といった情報を関係者間でスムーズに共有できる。
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