竹中工務店が、2014年に開発したCO2排出量を6割削減する「ECMコンクリート」の適用件数が、「横浜市役所」や「日鉄高炉セメント本社」などで100件を超えた。総計のコンクリート使用量は計32万立方メートル、CO2削減量は計6万トンに達している。
竹中工務店は2024年7月19日、低炭素型コンクリート「ECMコンクリート」の適用プロジェクトが100件を突破し、2024年6月末時点で107件になったと発表した。試算によるとコンクリート使用量で計32万立方メートル、CO2削減量で計6万トンに達した。
ECMコンクリートは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトで産学連携で開発した低炭素型のコンクリート。名称は、エネルギー(Energy)、CO2、ミニマム(Minimum)の頭文字を取り、竹中工務店と鹿島建設の登録商標となっている。
セメントの6〜7割を高炉スラグの微粉末に置き換え、セメント製造時のエネルギー消費量やCO2排出量を低減する。高炉スラグは鉄鋼を製造する際、副産物として生じ、製造プロセスでの焼成を不要とする。
発表によると、大型プロジェクトの基礎や場所打ち杭など地下構造物に加え、近年は「FC(コンクリートの圧縮強度)=60N/mm2(ニュートン平方ミリメートル)」程度の高強度コンクリートや外装用プレキャストコンクリート部材などでも用いられている。関東圏や関西圏を中心に、出荷工場は100工場を超える。
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