飛島建設ら4社は、トンネル工事で、粉じんやはね返りを大幅に低減する一次支保工構築工法「Smart Lining System Type 2」を開発した。
飛島建設、エム・シー・エス、すばる建設、岐阜工業は、一次支保工構築工法「Smart Lining System Type2」を開発した。
2021年に開発した専用把持型枠方式の「Smart Lining System」は、従来の吹付けコンクリートに対し、はね返りと粉じんの発生を大幅に抑制する。しかし、品質の安定や型枠の盛り替え作業に、労力と時間を要するなどの課題を残していた。
新工法のSmart Lining System Type2は、型枠バイブレータを備えたトンネル上半断面対象のスライド型枠を利用して吹き込む。充填性と密実性を向上させるとともに、上半断面全体を覆うスライド型枠を利用することで、専用把持型枠の盛り替え作業での労力や時間の削減が期待できる。
飛島建設は、令和2(2020)年度北勢BP坂部トンネル工事(国土交通省中部地方整備局発注)の一部区間で適用したところ、従来の吹付けコンクリートと比較し、粉じんやはね返りの大幅低減を確認した。特に、一般的な吹付けコンクリートでは20〜25%程度といわれるはね返りは、おおむねゼロとなった。
今後は、山岳トンネル工事への本格適用に向け、新たな課題となるスライド型枠のセット方法の改善や自動測量の導入などで、設置時間の短縮について改善を進めていく。
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