施工管理業務の標準化とデジタル化を図るポータルサイトを清水建設が構築産業動向

清水建設は、施工管理業務の標準化とデジタル化を推進する建築現場の総合ポータルサイト「Cコンシェルジュ」を構築した。ユーザーのサイトの利用内容(施工管理データ)が自動的にサイト内に蓄積される仕組みも構築し、知識と経験の共有により人材育成にも貢献する。

» 2024年06月20日 15時00分 公開
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 清水建設は2024年6月17日、施工管理業務の標準化とデジタル化を推進する建築現場の総合ポータルサイト「Cコンシェルジュ」を構築したと発表した。6月中に全国の建築現場で運用を開始する。

 Cコンシェルジュには、清水建設の施工管理業務のノウハウを集約し、ユーザーはポータルサイトにアクセスすることで、時間や場所を選ばずに現場における自身のタスクの抽出や遂行、進捗管理に関する業務支援を受けられる。さらに、ユーザーのサイトの利用内容(施工管理データ)が自動的にサイト内に蓄積される仕組みを構築し、知識と経験を共有することで、人材育成にも貢献する。

Cコンシェルジュの概念図 Cコンシェルジュの概念図 出典:清水建設プレスリリース

4つの新システムを開発 既存システムと組み合わせて構築

 Cコンシェルジュの主要システムは、新たに開発した「工種タスク登録システム」「技術相談システム」「図面検討システム」「施工計画書作成システム」と、現場で活用されている作業指示書発行や仮設手配、建設副産物管理など12の既存システムで構成する。

 工種タスク登録システムは、標準化された施工管理を展開するためのツールだ。建築工事約100工種から、鉄筋/型枠/鉄骨などのユーザーが担当する工事を選択すると、提出が必要な届け出をはじめ、技術資料や標準管理業務が自動的に抽出される。

 技術相談システムは、ユーザーからの建築技術や生産技術の相談の申し込みから回答までをワンストップでオンライン管理する。チャット形式で相談に応じ、相談内容はデータとして蓄積し、過去の事例検索が可能なデータベースを構築する。図面検討システムも同様の機能を備え、スタッフによる設計図の課題抽出、ユーザーによる課題対応と評価結果を管理するとともに、一連の検討の結果をデータとして蓄積する。

 施工計画書作成システムは、計画書の作成から監理者への電子回覧に至るまでの機能を備える。自社の施工管理標準を織り込んだ標準ひな型により、ユーザーの計画書作成業務を効率化する。また、技術相談システムや図面検討システムとデータ連携により、事前の技術相談記録や図面検討結果などをWebサイト上で参照可能で、管理ポイントを反映した計画書を作成できる。計画書の関係者への回覧、監理者への電子受領依頼などもサイトから実行可能だ。

 清水建設は今後、Cコンシェルジュを建築の施工管理業務のハブとして活用し、施工管理業務の標準化による品質の確保、効率化による労働時間の削減と有効活用を図る。さらに、施工管理データの蓄積を進め、データドリブンによるプロジェクト上流段階からの施工計画や品質管理の最適化、受注判断などさまざまな意思決定を迅速に行う。

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