テラドローンは、九州電力送配電の鉄塔点検に、AIで「碍子」を自動検出して撮影するドローン点検システムを導入した。
Terra Drone(テラドローン)は2024年5月8日、九州電力送配電の鉄塔に、電線を支える器具「碍子(がいし)」をAIで自動検出できるドローンを導入すると明らかにした。対象の鉄塔は、九州エリア約2万5000基のうち1万5000基。
ドローン点検システムは、ドローンの飛行、AIによる“がいし”の検知、ドローンに搭載したカメラの調整や撮影などを全て自動で行い、鉄塔の点検作業を大幅に省力化しする。
送電鉄塔は、風や雨など自然界の影響を常に受けており、安定して電力を供給し続けるためには、定期的な点検が必要不可欠。従来は、ドローンを手動操作して点検しており、22万ボルト級の鉄塔では1基あたり約110分程度を要していた。
今回導入したドローン自動点検システムは、鉄塔の形状に合わせて自動でドローンの飛行経路を生成し、点検時には操縦することなく、全て自動で行う。また、劣化状況を詳細に確認する必要がある“がいし”は、AIが自動検出し、カメラのズームアップやがいし一個一個の追従や撮影も全て自動化されている。そのため、操縦者による手動での飛行操縦やカメラの調整や撮影が全て不要となる。
システム導入による鉄塔点検作業は、操縦者と監視者の2人体制で、22万ボルト級の鉄塔では1基あたり、約60分で完了し、点検時間は従来と比べて約50%短縮する。
テラドローンは今後、特殊な形状の鉄塔への適用やドローン飛行に関する法規制が緩和されることで、九州にとどまらず全国各地の鉄塔に展開することが可能になるため、引き続き鉄塔インフラの保全に貢献していくとしている。
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