東急不動産が国内事業会社初の「RE100」達成、全204施設を再エネ電力に切替え脱炭素

東急不動産は、オフィス/商業施設/ホテルなど全204施設で使用する電力を100%再エネ化に切り替え、気候変動に関する国際NGO「CDP」から「RE100」の認定を受けた。

» 2024年05月09日 15時00分 公開
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 東急不動産は2024年4月25日、自社の事業所と保有施設で使用する電力の100%再生可能エネルギーへの転換が2022年12月1日付けで完了し、金融機関を除いた事業会社として初めて、気候変動に関する国際NGO「CDP」から「RE100」の認定を受けたと発表した。

「RE100」事務局は英国の環境NGO「CDP」と「ClimateGroup」が担う 「RE100」事務局は英国の環境NGO「CDP」と「ClimateGroup」が担う 出典:東急不動産プレスリリース

1年間の再エネ電力使用量は約3億kWhに

 RE100は、世界で影響力のある企業や団体が遅くとも2050年までに、事業で使用する電力を100%再エネで賄うことを目指す国際イニシアチブ。東急不動産は2019年に国内不動産業で初めて加盟した。

 RE100達成を対外的に発信するには、1年間の再エネ利用実績をまとめ、RE100事務局(CDPとClimateGroup)の審査を受ける必要がある。東急不動産は、オフィス、商業施設、ホテルなど全204施設を対象に、2022年12月1日から2023年11月30日までの取り組みに関する実績報告と開示申請を行い、CDPから正式に認定された。

 なお、RE100が定める技術基準を満たすグリーンガスが国内で調達不可能なため、今回のRE100達成では、コジェネレーション自家発電による電力0.2%分は対象から除外される。RE100事務局が発行した2023年開示報告書では、再エネ量は「99.8%」と開示されている。

事業ブランド「ReENE」を中心に、再エネ事業を幅広く展開

 東急不動産はオフィスビル、商業施設、ホテルやリゾート施設/シニア住宅などを運営するとともに、2014年に再エネ事業に参入し、2018年には事業ブランド「ReENE(リエネ)」を立ち上げ、2024年3月末時点で1.7GWを超える再エネ事業を展開している。

 1年間の再エネ電力使用量は約3億kWhで、約98%を自前の再エネ発電所で賄っている。これらの取り組みによるCO2排出削減量は年間約13万トン(一般家庭約6万9000世帯分のCO2排出量に相当)に達する。

 東急不動産は今後も、自社における再エネ電力の継続利用とともに、自社施設の再エネ化やコーポレートPPAなどの再エネ電力供給を行い、脱炭素社会の実現を目指す。

複合商業施設、レジデンス「フォレストゲート代官山」 複合商業施設、レジデンス「フォレストゲート代官山」 出典:東急不動産プレスリリース
会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」 会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」 出典:東急不動産プレスリリース

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