パナソニック エレクトリックワークス社は、光害対策仕様のグラウンド向けLED投光器をリニューアルした新製品「アウルビームER」を発売した。
パナソニック エレクトリックワークス社は2024年4月1日、光害対策仕様のグラウンド向けLED投光器をリニューアルした新製品「アウルビームER」を発売した。
独自のレンズ技術により、器具効率を従来品の1.5倍まで向上させるとともに、上方向へ漏れる光を低減して近隣地域への光漏れをさらに抑制する。また、レンズ制御によるきめ細かな光学設計で、グラウンドから投光器を直視した際にまぶしく感じるエリアを縮小する防眩(ぼうげん)仕様により、プレー環境の快適性も向上させた。
アウルビームERは従来のアウルビームから小型化し、全ての出力の製品で、一般的なHID照明と同程度の製品サイズを実現した。既存の照明鉄塔などを利用した置き換えが可能になり、軽量化したことで設置作業の負担も軽減する。新製品は、パナソニック エレクトリックワークス社が展開する省施工製品群「ハヤワザリニューアル」の一商材として販売する。
パナソニック エレクトリックワークス社は、2020年から光害対策仕様のLED投光器「アウルビーム」を展開してきた。今回、アウルビームをリニューアルし、光漏れの抑制性能を強化するとともに、省エネ性能も向上した新製品を開発した。既設HIDランプと同数以下で置き換えが可能で、台数を削減しながら平均照度のアップと消費電力の大幅な削減を実現する。
従来の光害対策は主に、庇(ひさし)で上部への光をカットする遮光フードや、ブラインドで上下の光をカットする遮光ルーバーなどが使用されていた。光を物理的に遮断する仕組みのため、器具効率が低下する他、器具を直視した時の光の強さは変わらずまぶしいという課題があった。
アウルビームERは、限られた設置場所からフィールド全体を均一に照らす機能は維持しながら、独自の新設計レンズで漏れ光を大幅に抑制する。上方向と下方向への配光を合成配光レンズで緻密に制御し、光軸から上方15度の絶対光度を2500カンデラ以下に設定することで、環境省の「光害対策ガイドライン」が設定する環境区域の分類でE1レベルを達成した。E1レベルは、バードウォッチングを行う公園や、就寝時間が早い高齢者施設などが近隣にある施設で目指すべき指針とされている。
この機能は周囲への光漏れを防ぐだけではなく、グラウンド利用者のプレー環境も改善する。アウルビームERは、独自の光学技術により、光軸から上方8%以上の輝度を抑制するとともに、光軸を下方7%から上方10%へ変更して器具を下方向に向けることで、直接見た際の発光面積を低減し、まぶしさを抑えた。
現在LED化していないナイター照明の大半はHIDランプを使用している。しかし、HIDランプは消費電力量の多さや高所でのランプ交換の手間や費用、環境配慮の観点から、各社が撤退を発表しており、パナソニックでも2024年3月に生産を終了した。今後、LED照明への切り替えが加速すると予想される。
パナソニック エレクトリックワークス社では、2026年度までに投光器全体の売り上げを現状比120%まで伸ばし、そのうち、アウルビームERの割合を30%まで増加させることを目指す。
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