残業規制で「工期見直しは難しく、働き方はかえって厳しくなる」が4割、野原グループが現場監督を調査：調査レポート（1/3 ページ）

野原グループのBuildApp Newsは、現場監督や所長（現場代理人）を対象に、建設の2024年問題と現場の業務デジタル化の意識を調査した。調査結果によると、4割が「適正工期の見直しは難しく、働き方はかえって厳しくなる」と回答し、残業規制の影響をより強く懸念していることが判明した。

[BUILT]

　野原グループは、建設の2024年問題と現場の業務デジタル化の意識調査の結果を2024年3月28日に発表した。

　今回の調査は、「建設DXで、社会を変えていく」情報メディア「BuildApp News（ビルドアップニュース）」が2024年1月に実施した「建設業界従事者1000人への独自調査」を基礎資料に、「施工管理（工程、安全、品質、原価などの工事に関わるさまざまな業務の管理）」に従事する現場監督や所長（現場代理人）307人に対象者を絞って分析している。

現場監督や所長は「効率の悪さ」や「手戻り」に痛み、30代はBIMを使いたい

　今回の実態調査からは、現場監督／所長（現場代理人）の4割が「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる」と回答し、残業規制の影響をより強く懸念していることが分かった。一方、現場監督／所長は、「現場作業の効率の悪さ」や「手戻り（作業のやり直し）」に痛みを感じており、30代を中心にBIMを使いこなしたい意志があることもうかがえる結果となった。

建設2024年問題で悪化すると思うことTOP3　提供：野原グループ

　2024年問題の認知は、「詳しく把握している」と回答したのは43.3％で、業界人1000人に比べて5.6ポイント多かった。年代別では、30代が「詳しく把握している（64.7％）」方が最多で、20代で「聞いたことがない／知らない（18.8％）」も多かった。

建設2024年問題の認知　提供：野原グループ

　建設2024 年問題で悪化すると思うことの設問では、1位「適正工期の見直しは難しいため、働き方はかえって厳しくなる（40.0％）」、2位「ますます若手入社希望者が減少する（30.5％）」、3位「時間給・日給が減ることになるためむしろ困る（27.3％）」の順。業界人1000人の回答結果は、1／2位は同じだが、3位が異なる結果となった背景には、時間外労働時間の規制に伴い、残業代が減り、手取り総額の減少を懸念する心理が予測される。

建設2024年問題で悪化すると思うこと（複数回答）　提供：野原グループ