建設現場で感じる自身や現場関係者の痛みを尋ねたところ、「週末にも働く(納期厳守や、工程管理が厳しくて休めない)(59.0%)」がダントツで、業界人1000人調査の結果に比べても約9ポイントも上回っている。
2位「前後の工程の都合での手待ち(41.0%)」、3位「新築の竣工前の変更や手戻り(40.4%)」、4位「一日の中で実作業時間が足りない、作業効率が悪い(39.4%)」も同様に、業界人1000人調査の結果と比較しても割合が多いため、工程間の手戻り(作業のやり直し)と現場作業の効率に課題があるのではないかと推察できる。
年代別で建設業界に改善して欲しいことを聞くと、いずれの年代でも「給与水準のアップ」と「長時間労働(休日取得日数、早出、残業)の是正をしてほしい」がトップ2。20代と30代は「デジタルツールを駆使した業務効率化」が、それぞれ25.0%と38.2%で3位にランクインしている。
建設業界で最も深刻な課題は、1位「人手不足(65.1%)」、2位「高齢化による技術承継(46.6%)」、3位「労働時間が長い/年間休日が少ない(33.6%)」との結果となった。2023年調査結果と比べると、1〜2位の順位は同じだが割合が増加しており、課題が深刻化している。また、2023年調査結果でランクインしていなかった「労働時間が長い/年間休日が少ない(33.6%)」が3位に上がっており、建設の2024年問題を背景に、現場監督や所長(現場代理人)自身の働き方を改めて見直す機会にもなっている。
デジタル化未対応による仕事の不安では、64.2%が「デジタル化に対応できないと将来仕事が減るのでは、という不安」と答えている。業界人1000人の結果よりやや多い数値だが、前回調査の結果に比べると微減している。
年代別では、20代が最多の68.8%で、次いで30代の67.6%。若手ほど「デジタル化に対応できないと将来仕事が減るのでは、という不安」を抱いている傾向にある。
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