鹿島建設ら4社は、山岳トンネル工事の補助工法であるAGF工法のうち、鋼管の供給と連結作業を完全機械化できる2つの装置を開発し現場で実証した。施工人員の25パーセント減と作業負荷軽減を確認したという。
鹿島建設は、古河ロックドリル、ケー・エフ・シー、トーキンオールと共同で、山岳トンネル工事の補助工法「AGF工法(注入式長尺鋼管先受け工法)」のうち、鋼管の供給と連結作業を完全機械化できる2つの装置を開発した。既に「みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事)」に試験導入し、有用性を確認した。
新システムは、鋼管供給用の「新型楽ダナ」鋼管連結用の「連結機構付きガイドシェル」の2つの装置で構成し、従来は作業員が人力で行っていた各作業を機械化する。
新型楽ダナは、専用のラックにセットされた鋼管を1本ずつガイドシェルに供給。連結機構付きガイドシェルは、鋼管の前後を把持し押し込む機構を追加し、ソケット型の鋼管を連結できる。
今回、みなとみらい21線車両留置場建設工事の土木工事にシステムを試験導入し、機能の検証した結果、鋼管打設に関連する一連の作業を完全に機械化。1シフト当たりの作業人数を従来工法の8人から6人に削減し、作業員の負荷軽減や安全性の向上を確認したという。
山岳トンネルでは、トンネル上部の安定性確保や地表面の沈下抑制を目的に、補助工法としてAGF工法を採用するケースが数多くあるが、ドリルジャンボの削岩機アーム(ガイドシェル)に2人の作業員が切羽手前の路盤上で鋼管を供給し、別の作業員2人が切羽上部で鋼管の連結作業を行うがいずれも手作業で、作業員の負荷軽減が課題だった。
鹿島は今後、山岳トンネル工事を対象とした自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」(クワッドアクセル フォー トンネル)と連携させることで、山岳トンネル工事の自動化施工技術を加速していく。
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