2024年1月にリリースするVectorworksの最新版は、表示バーとツールバーの見直しやWindowsのダークモード対応といったインタフェースの刷新に加え、光源のレンダリング進化やBIMから図面出力の機能強化などを図っている。
キヤノンマーケティングジャパングループのエーアンドエーは、「Vectorworks 2024」を2024年1月17日に発売する。最新バージョンは、ユーザーインタフェース(UI)を刷新するとともに、施主や関係者間の合意形成を図るためのリアルタイムプレゼンテーション機能も強化した。
Vectorworks 2024は、2D、3D、データベース、高品質レンダリングなど豊富な機能を搭載した設計やデザインのためのワンストップCADソフトウェア。建築設計の専門分野別に製品を展開し、2D作図や3Dモデリング、レンダリングの機能を備える基本製品「Vectorworks Fundamentals」、建築/インテリア設計向け「Vectorworks Architect」、造園設計の「Vectorworks Landmark」、舞台照明設計の「Vectorworks Spotlight」の製品構成となっている。
最新バージョンでは、UIを改善し、表示バーとツールバーを再編成したことで、設計作業が今まで以上に効率化され、必要な項目を選択または配置できる。モニターサイズや解像度に合わせて、ツールやプルダウン、文字などのコントロールアイテムを3段階のサイズで最適な表示を選べる。また、macOSに続き、Windowsのダークモードにも対応し、OS設定に準拠するか、ライトモード/ダークモードを個別に選べる。
リアルタイムプレゼンテーション機能では、OS標準のAPI(macOSはMetal、WindowsはDirectX)に即した光源表現の「シェイド」レンダリングが進化し、グラフィックス性能の許す限り、フォトリアルに影を表現する。カメラエフェクトも搭載し、被写界深度や露出、F値などを設定することで、リアルタイムながら表情豊かなレンダリングが実現する。さらにブルーム機能で、光源の拡散効果を再現し、インテリアやエンタテインメントの業界でも活用の幅が広がる。
BIM/建築設計の機能では、図面化に必要なビューポートの各種設定をスタイルとして保存すれば、ワークフローの効率化と標準化につながる。グラフィック凡例とレベル基準線も改善し、設計図書の作成環境が改良された。
窓とドアのオブジェクトは、室内側と吊(つ)り元を明確に設定可能になり、精確なジオメトリと業界標準のデータに準じている。3つのキャビネットツールは、1つに統合され、より細かくオリジナルのキャビネットをモデリングできる。
Vectorworks 2024の販売形態は、PCごとにライセンス管理をする「スタンドアロン版」、フローティングライセンスの「ネットワーク版」の2種類。スタンドアロン版は、永続ライセンスとサブスクリプションライセンスで、価格はスタンドアロン版永続ライセンスで39万3800円〜、サブスクリプション(1年間)で24万5300円〜(ともに税込み)。
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