田中制震構造研究所は、さまざまな振動に起因する建物の問題を解決する「3D振動減少装置」のコンパクト化・軽量化・低コストを同時に実現し、特許も取得、2023年8月より最新バージョンの販売を開始した。
田中制震構造研究所は、さまざまな振動に起因する建物の問題を解決する「3D振動減少装置」のコンパクト化・軽量化・低コストを同時に実現し、特許も取得、2023年8月より最新バージョンの販売を開始した。
振動による建物のダメージ、製造現場での有害な振動によるリスク、建物の揺れによる事故やクレームの発生などの問題が発生している。これらを解決するために同装置が開発された。
3D振動減少装置は、特許取得した独自技術により、3Dタテ・ヨコ・斜めの振動を常時減少させる。振動減少予測解析システムとともに提供され、既に多くの建物や施設に採用され、振動減少効果を実証している。
一般的な振動減少装置(制振装置)は、対象の建物全重量の数%以上に設定されるため、数トン〜数十トンを超える重量と、高さ×タテ×ヨコが共に数メートルを超えるサイズとなる。また、全方向からの振動には対応できない。これに対し、3D振動減少装置は重さ=0.3〜0.5トン程度、高さ=30センチメートル、タテ×ヨコ=1メートル×1メートル程度の非常にコンパクト・軽量化を実現し、同時に、一般の大型振動減少装置を上回る振動減少効果を全方向に対して発揮する。これは、建物自体と3D振動減少装置を一体化させる新技術により可能となった。
開発のため、同社は、2件の実験的-特許を取得した。
この3D振動減少装置を2020年8月に、「NEXCO」の高速道路トンネル上部の付属施設に4機設置したところ、有害な交通振動が大幅に減少し、近隣住民の方からの振動クレームが激減した。
特徴として、耐久年数は、建物内部で最大30年程度、外部設置では最大15年程度で、 地震後に装置の稼働部分は自己復帰する。耐水仕様で錆びにくく、抗熱可塑性で耐久性に優れる。装置の取り外しが容易のため、修理や部品交換も簡単だ。
1機当たりの本体価格が150万円より、設置費用は別途となっている。
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