東京駅前八重洲一丁目東B地区の再開発で、劇場とカンファレンス施設の運営者にぴあとコングレが選定された。劇場は、東京駅前初の段床型とし、800人を収容する規模となる見通し。
東京建物が再開発組合の一員として参画し、2025年度の竣工を予定している「東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発事業」で、51階建てビルに整備する劇場とカンファレンス施設の運営者に、「ぴあ」と「コングレ」に決まったと2023年8月10日に発表した。
事業では、大規模ターミナル駅である東京駅への近接性やバスターミナルなどを通じて、国内主要都市から直接アクセスできる立地特性を生かし、約800人を収容可能な東京駅前初となる後方が高くなるように段差を設けた客席の“段床型”劇場を整備する他、大型の展示会や講演会などに供用できる平土間ホールや交流イベントが実施できる会議室を備える。
劇場/カンファレンス施設は、東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発事業で建設するビルの3〜6階に整備する予定で、規模は延べ床面積が約1万平方メートルで、平土間の大ホールは約750平方メートル、小ホールは約160平方メートル。会議室は10室となる見通し。
運営を担う、ぴあは、チケット事業などで培ってきた多様なネットワークを活用し、演劇、ミュージカル、音楽ライブの催事を誘致すると同時に、幅広くパートナーを募り、自ら演目コンテンツの企画や製作を行う。これまで東京駅周辺エリアでは、不足していたエンタテインメントを通じた文化発信拠点を整備し、将来はショービジネスの観光拠点として、海外にも広く知られるエリアに発展させることを目指す。
コングレは、G7サミットをはじめ、国際会議の運営で豊富な実績があり、プロジェクトエリア内でも多くのカンファレンス施設を運営している。新施設でも、国際的なセミナー、展示会、講演会などの催事を誘致し、エリアのビジネス交流機能のさらなる拡充に取り組む。また、事業のオフィスフロア入居企業に対して、商品のプロモーションや企業内外の交流の場としての利用を促進し、オフィスサポート機能も果たす。
東京建物は今後、運営者2社と連携しながら、事業周辺の地域や町会が長年継承してきた伝統的な祝祭や地域交流の活動の場としても提供し、街や人の結び付きを高め、周辺エリアと連携したイベント活動の企画運営を検討していく。
計画地は東京都中央区八重洲一丁目300番、205番6、205番7の一部で、敷地面積は約1万600平方メートル。建物規模は地下4階/地上51階建て(高さ約250メートル)、延べ床面積約22万5000平方メートル、総貸室面積は約10万5578平方メートル。設計は大林組一級建築士事務所、施工は大林・大成JV、監理は日本設計がそれぞれ担当。工期は2021年10月に着工し、竣工は2025年度の予定。
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