(2)BIM活用の知識と技術を提供する「Graphisoft Learn」
2つ目は、BIMを活用するためのさまざまなスクールやトレーニングメニュープログラムを提供するサービス「Graphisoft Learn」だ。飯田氏はそのなかから、3つのプログラムを採り上げた。
Graphisoft Learnのうちの1つが2020年にオンラインでスタートした「BIMマネジャープログラム」。BIMのオフィスマネジメントやArchicadのテンプレート作成、BIMプロジェクトコーディネーションなどを学ぶ10週間のオンライン講習プログラムで、「スタートから約2年で175人が受講し、GRAPHSOFT認定の『Archicad BIMマネジャー』として活躍している」(飯田氏)。BIMマネジャー認定は、BIMの国際的認定制度「building SMARTプロフェッショナル」とも連携し、国際的なレベルの資格となっている。
Graphisoft Learnの2つ目は“BIMのジム”をコンセプトに持つプログラム「BIM Classes」。年間パスポート制で、モデリングやデータ管理、コーディネーションなど、全てのクラスを何度でも受講できる。「少人数制で、ライブクラス後には動画での復習が可能。分からなかったことを講師に直接質問できるフォローアップ体制が評価され、新人社員研修などへの活用例もある」(飯田氏)。月間120クラスほどのプログラムを開催し、毎月600人以上のユーザーが受講しているという。
飯田氏が最後に紹介したのは、「Professional service」。コンサルティングやトレーニングを受けたいというユーザーアンケート結果から実現したプログラムで、簡単にいうとBIM ClassesとBIMマネジャープログラムを合わせ、トレーニングで得たBIMの操作やマネジメント知識の実践活用を支援する内容だ。
(3)ユーザー同士をつなぐプラットフォーム「Graphisoft Community」
Graphisoft Learnの3つ目のサービスは、「Graphisoft Community」。日本国内では2022年8月に公開されたサービスで、ペーテル氏は「この場を利用してユーザー同士が意見や情報を交換・共有したり、日本各地で活動するユーザーグループのプラットフォームと利用したりすることで、ユーザーの一体感につながる」と期待する。
一方、飯田氏は、「今まであったHow to useのサイトやSNS、Help Center、全国13カ所(当時)にあるユーザーグループなどを統合したコミュニティーポータルとして、この場でさまざまな議論が生まれ、新たなサービス創出につながるのでは」と、その可能性に期待感を示した。
最新のアップデートで、BIM活用の世界の可能性をさらに広げたGraphisoft。今後、どこへ向かうのだろうか。その展望についてペーテル氏は、自らのプレゼンテーションの最後に、Archicad、BIM cloud、BIMxの3製品と、Graphisoft Forward、Graphisoft Learn、Graphisoft Communityの3つを両輪にして、BIMソフトベンダーという存在にとどまらず、ユーザーがBIMを使って目指す目標までをサポートする「BIMのソリューションプロバイダー」へと進化するとの決意を表明した。
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