グラフィソフトジャパンは、2023年度のアップデートで、Archicad、BIM cloud、BIMxのBIM関連製品と、Graphisoft Forward、Graphisoft Learn、Graphisoft Communityの3つのサービスを両輪に、「BIMソフトベンダー」を超え、ユーザーがBIM活用の実現までをサポートする「BIMのソリューションプロバイダー」へと進化することを掲げている。
本稿ではグラフィソフトジャパンが2022年10月に開催したオンラインイベント「Building Together Japan 2022」のセッションを深掘りして、セミナーレポートとして振り返る。
オープニングを飾るセッション1では、同社代表取締役社長のトロム・ペーテル氏と、カスタマーサクセスディレクターの飯田貴氏が登壇。「グラフィソフトUPDATE」と題したプレゼンテーションで、グラフィソフトジャパンの最新の取り組みと製品情報について解説した。
プレゼンテーションは2パートに分かれ、前半はペーテル氏、後半は飯田氏がそれぞれ担当。ペーテル氏はアップデートの全体像を、飯田氏はソフトやサービス内容にまで踏み込んだ発表となった。
ペーテル氏はプレゼンテーションの冒頭で、1982年にハンガリーの首都ブダペストで創業し、2022年で創業40周年を迎えたGraphisoftの歴史を「Archicad1.0」(1984年)、「Teamwork」(1997年)、「BIMx Viewer」(2009年)といったマイルストーンの製品群に触れつつ振り返り、現在は「Archicad」「BIM cloud」「BIMx」の3製品が連携して、BIMのワークフローを構築するのに至ったと説明した。
ペーテル氏は、こうした技術開発を進めるうえで大切なことは、「何のためのものかを考えること」だと語る。実践のために同社は2020年に「EMPOWERING TEAMS TO CREATE GREAT ARCHITECTURE=素晴らしい建築を創造するチームに力を与える」というミッションを新たに設定し、多様なユーザーが思い描く「多様な素晴らしさ」の実現をサポートする会社となることを宣言した。
では、どのような技術ならば、そのミッションを達成できるのか。ペーテル氏は、理想的なBIMを「ソフトが前面にでない、ユーザーの使いやすさを第一に考えた仕様」「自由なデータ連携(コラボレーション)」「標準化された効率的なプロセス」の3つの特徴を備えたものと見なし、それぞれに取り組むことがミッション実現につながると述べた。3つの特徴から、両氏のプレゼンテーションを整理してレポートする。
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