販売開始から約5年――。OKIPPAはさらなる進化を遂げている。その1つが、環境監視クラウドシステム「OKIPPA camera」だ。
OKIPPA cameraは、OKIPPAから送信されるデータと連動するカメラユニットで、OKIPPA同様に、外部電源を必要とせず、太陽光発電と機器内部に搭載されたバッテリーで駆動する。監視場所に置いたOKIPPAからクラウドに上げられたデータが閾値を超えると、クラウドからLTE/Wi-Fi経由でカメラユニットに撮影指示が送られる。これにより、低消費電力での24時間の画像記録も備えた監視体制が可能になる。
管理者のスマホやPCには、クラウドからのアラームメールの他に、カメラユニットで撮影したデータがLTE/Wi-Fi経由で届く。管理者は、現地に着く前に変状を画像で確認できるため、早期かつ的確な対応が可能になる。
OKIPPA cameraは、さまざまなセンシング機器と組み合わせて、トンネルの坑口や直上沢部、残土置き場、仮桟橋、アンダーパスなどの利用が想定されている。
また、OKIPPAそのものも、土木分野を超えて、農業向けの展開も始まっている。温度センサーと任意のセンサー“X”を組み合わせ、圃場やビニールハウス、栽培用コンテナ内部などを監視するクラウドシステム「OKIPPA Green T/X」だ。
センサーには、日射センサー、湿度センサー、CO2センサー、雨量計、電極式の接点型水位計。田圃の気温と用水温度、ハウス内の温度と湿度、圃場の気温と雨量や日射量、きのこ栽培用コンテナの温度とCO2濃度、ため池の水位と周辺の気温などの監視で利用が見込まれている。
傾斜計としてスタートし、土木領域から農業領域へと活用領域を広げるOKIPPA。今後はどのような進化を遂げるのだろうか。
担当者は今後の展望として、アクチュエイト(作動させる仕組み)の部分を強化していきたいと語った。「カメラや危険を知らせる回転灯、あるいは野菜栽培コンテナの換気扇といった機器と連携することで、OKIPPAはいわゆるロボットのようなサービスに近づく。建設は、物理的な領域で事業展開をしているので、物理的なロボットが活躍する場面が多々ある。多様なセンシング機器や、頭脳の部分でAIとOKIPPAを連携させて、新しいサービスをつくりあげていきたい」。
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