西松建設は、人が立ち入れない災害現場などの現場状況を把握するため、傾斜監視クラウドシステム「OKIPPA104」と、スカイシーカー社の「SkySeekerドローンサポート」を連携させた。
西松建設はインフラ監視サービスの拡充を図るため、同社の傾斜監視クラウドシステム「OKIPPA104(オキッパ・テン・フォー)」と、ドローンパイロットのトレーニングなどを行っているスカイシーカー社の「SkySeekerドローンサポート」を連携させた。これにより、災害時に河川の氾濫や道路の寸断などでアクセスできなくなったインフラ施設の確認が可能となる。
2018年4月に販売を開始した「OKIPPA104」は、センサーボックスを置くだけで、給電や通信の配線作業が不要な傾斜監視システム。
既にさまざまなインフラ監視に導入されており、その中でユーザーから、災害時に、河川の氾濫や道路の寸断で、アクセス不可能となったインフラ施設の状況を確認したいなどの要望を受けたという。こうしたニーズに応えるため、OKIPPA104のGPSデータを基に、ドローンを自律飛行させ、その周辺状況を映像で確認するサービスを始めた。
DJI社のドローンを主に扱っているスカイシーカーは、ドローン全般の運用サポートを担当する。国土交通省認定の管理団体として運営している「Sky Seekerアカデミー」に、OKIPPA104専用のコースを新設し、必要となる技術や知識が習得できるプログラムを展開する。
OKIPPA104とドローンの連携で、これまでは現地に行かないと、傾斜データ以外の状況が確認できなかったが、安全な場所から映像で現場の状況が把握できるようになった。また、OKIPPA104のGPSデータから、あらかじめ飛行ルートと撮影パターンを設定するため、確認対象の誤認など、ヒューマンエラーの防止や飛行準備と飛行時間が短縮され、スムーズな状況確認が実現する。
斜面計測から、ドローン飛行までの仕組みとしては、OKIPPA104は斜面に設置するだけで、1時間に1回データを計測(標準設定)。取得したデータは、LPWA通信規格「Sigfox」によってクラウドに上がり、崖崩れの前兆となる傾斜の閾値(しきいち)を超えた場合は、管理者やドローン操縦者のスマートフォンやタブレット端末にアラームメールが発報される。
警告メールには、「飛行ルートNo.6」のようにドローンのフライトプランも記載され、これに従ってドローンを飛行させることになる。
西松建設では、インフラ監視における省力化に向けた写真測量機能やアラームメールに対応した飛行ルートの自動設定など、新しいサービスの実用化を目指していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.