日揮グローバルは、BSIグループジャパンから「ISO 19650-1」と「ISO 19650-2」に基づく、「BIM BSI Kitemark(カイトマーク)」の認証を取得した。
日揮ホールディングスは2023年4月6日、海外EPC事業会社の日揮グローバルが英国規格協会BSIの日本法人BSIグループジャパンから「ISO 19650-1」と「ISO 19650-2」に基づく、「BIM BSI Kitemark(カイトマーク)」の認証を取得したと発表した。
日揮グループでは、メインビジネスと位置付けるEPC(プラントの設計/調達/建設)事業のデジタル変革を進めている。2018年から推進しているグループIT戦略「ITグランドプラン2030」では、「スピード2倍、工数3分の1」を目指し、EPC役務に関わる情報を集約するデータセントリックな設計ワークフローとプロジェクトデジタルツインの構築を掲げ、EPCのデジタル化や高度化を実現する重要な要素技術として、BIM活用を模索してきた。
日揮グローバルはこれまで、Plant(プラント)とBuilding(ビルディング)のBIMをはじめとする各分野の要素技術と情報モデルの相乗効果で新たな価値を創造し、社会に貢献するという日揮グループ独自の概念「P×BIM(ピークロスビム)」の適用プロジェクトを拡大してきた。しかし、より信頼性の高いデジタル化されたプロジェクトを遂行するには、国際標準に準拠した情報管理体制のBIM上での構築が不可欠と認識し、情報モデルを使用した情報マネジメントの概念と原則であるISO 19650-1と、情報マネジメントに関する具体的な要求事項を規定するISO 19650-2に基づく認証(元請受託組織向け)を取得するに至った。
BSIグループジャパンからのISO 19650-1とISO 19650-2に基づくBIM BSI Kitemark(カイトマーク)の認証取得は、国内エンジニアリング企業として初。認証取得により、プロジェクト関係者が各専門分野のBIMモデルを互いに共有・参照し、計画から設計、調達、建設に至るまでのデータを共有するBIMレベル2※と同様の原則と、高レベルの要件全てを実施することが可能になる。
※英国ではBIMの成熟度をレベル0からレベル3まで設定。2016年以降、建物やインフラストラクチャを含む、中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求している
ISO 19650シリーズの内訳は、下記の通り。
日揮グローバルでは、「当社はEPC(インフラ・プラントの設計/調達/建設工事)事業の変革“EPC DX”を推進しているが、自社内だけではなく、世界中の発注者や設計者、協力会社を含めた業界全体でのプロジェクト管理の合理化・効率化が、プラント分野のみならず建設業界全体での持続的なプロジェクト遂行実現の観点から重要だと考えている。ISO認証は、関係者との情報共有プロセスが明示されており、適応することで特定の会社だけではなく、各ステークホルダーを含めた情報の高度利用が可能になり、業界全体のDX化を進められると考えISO 19650(Kitemark)の取得に踏み切った」と経緯を説明する。
ISOの審査にあたって苦労した点については、「審査対象プロジェクトの建屋数が多く、モデル数が100以上あり、一般的なプロジェクトと比較して管理する情報量が多く苦労した。ISOの審査を機に、ISO 19650の適応に加え、業務定型化を進め、マニュアルでの作業を削減していくことで、多量な情報量にも対応した効率的な遂行フローを構築することができた」と話す。
BSIジャパン 代表取締役社長 漆原将樹氏は、「LNGや再生可能エネルギーなど地球規模でエネルギー業界の発展に貢献されている日揮グローバルで、今回のBIM BSI Kitemarkの認証取得がEPC業界全体でのプロジェクト管理のさらなるDX、合理化/効率化の加速に寄与できることを期待している」とコメント。
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