2.「ドローン計測」の活用
橋梁(きょうりょう)工事の出来形管理も多くの検査項目があり、それぞれが手間の掛かる検査となっています。例えば、橋脚の上部については、高所作業車を使って作業員が確認場所に近づき、手作業で計測しています。
こうした作業を、レーザスキャナーを搭載したドローンで計測する方法に置き換える実証も始まっています。ドローンを使って橋脚上部の3次元点群データを取得して形状を計測し、トンネルの例と同様に設計データと比較することで出来形管理が可能となります。作業効率化だけでなく、高所作業車が不要となり、高所作業の危険性もなくなるといったコスト面と安全衛生面でのメリットがあります。
3.「画像解析技術」の活用I
画像解析技術の活用も普及しつつあります。例えば、コンクリートのスランプ値※3は複数の作業員でサンプリング検査をしており、作業負荷となっていた作業です。画像解析とAIでリアルタイムにスランプ値を推定する技術を用いることで、検査自動化と全数検査が可能となりました。
※3 スランプ値:生コンクリートのやわらかさの程度を表す指標
4.画像解析技術の活用II
舗装用ローラの後輪前後に、距離計測用カメラを取り付けることで、ローラ通過前後の地盤高さを継続的に取得し、舗装面の品質管理を行ったプロジェクトもあります。路面の地盤高さの計測も、人手で行う場合は時間を要する作業なので、作業の効率化としては効果的です。
他にも、従来の目視確認や人手での検査作業を、センサーデバイスや解析/分析技術を活用することで自動化する研究開発も注目されています。自動化により、作業ミスが減少し、検査品質も均質化される効果が期待されており、今後も新技術の開発により多くの作業が効率化されていくことでしょう。
今回紹介した技術は、ドローンやセンサーデバイスなど高価な専用機器が必要なものが中心となりました。次回は、身近で安価な機材を使って比較的簡単に導入できる技術の具体例を紹介していきます。
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