技研製作所、超低空頭対応の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」開発新工法

技研製作所は、都市部の橋梁などの上部クリアランス2.5メートルの空頭制限がある硬質地盤の現場において、直径1000ミリメートルの鋼管杭の圧入を実現する超低空頭対応の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」を開発した。

» 2022年12月26日 08時00分 公開
[BUILT]

 技研製作所は、従来の同社圧入機では施工不可能だった、都市部の橋梁などの上部クリアランス2.5メートルの空頭制限がある硬質地盤の現場において、直径1000ミリメートルの鋼管杭の圧入を実現する超低空頭対応の鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー」を開発した。

ジャイロパイラーによる施工イメージ図 ジャイロパイラーによる施工イメージ図 出典:技研製作所プレスリリース

 従来機は機体と一体の吊り込み装置で杭を吊り、機械上部から投入していたため、施工に一定のクリアランスが必要であった。

 新型機では、回転機構を改良して杭の位置を決めるリーダーマストと杭をつかむチャックを90度回転できる構造とし、吊り込み装置の代わりに専用の杭投入装置を用いて機械側面から杭を横向きに投入できる。これにより、施工可能な最小の上部クリアランスを従来の4.5メートルから2.5メートルに大幅縮小した。

機械側面からの杭投入 機械側面からの杭投入 出典:技研製作所プレスリリース

 さらに、建て込める杭の長尺化により、継施工時における投入杭の本数や溶接箇所を削減し、工期、工費を縮減した。

従来機との比較 従来機との比較 出典:技研製作所プレスリリース

 厳しい空頭制限や硬質地盤という条件により手付かずとなっている橋梁においても、橋げたの撤去や迂回道路の設置が要らず、周辺交通や地域経済に影響を与えずに、耐震化、橋梁部の河川護岸の補強などの施工を可能とする。

 また新たに、杭投入姿勢の自動復帰機能を搭載する。操作や判断にタイムラグが生じる杭投入時の姿勢修正をボタン1つでスムーズに行えるため、現場の負担を軽減する。

 同機は、まず技研施工が現場導入し、施工実績、改良を重ねた上で市場投入する予定だという。

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