技研製作所が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー」による鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」が、オランダの「デン・ハーグ市における運河の護岸改修事業」に採用された。
技研製作所が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー」による鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」が、オランダの「デン・ハーグ市における運河の護岸改修事業」に採用され、実証施工(パイロット施工)の圧入工程を完了した。
同事業は、デン・ハーグ市が管轄する約62キロメートルの護岸のうち、改修が必要な約24キロメートル区間を2040年までに改修する計画だ。既存護岸はレンガなどで造られ木杭の基礎が支えている。多くが100年以上前に構築され、路面電車や交通量の増加により負荷が増大している。
同市は2018年からの2年間で約3.7キロメートルを他工法で改修したが、大きな仮設工事、船の往来を妨げることで地域の経済活動に影響を及ぼすなどの課題や、樹木の伐採で景観を損なうといった懸念があった。
同工法は、先端に切削爪を付けた鋼管杭を回転圧入することで既存構造物や硬質地盤を貫通し、粘り強いインプラント構造物を構築する。既存護岸に杭を直接圧入できるため、既存護岸の撤去工事や大型掘削機による事前掘削が不要で、工費と工期を縮減する。また、省スぺース施工、仮設レス施工が人の往来や物流を妨げず、樹木の伐採を必要としない点も評価された。
実証施工では、「サイレントパイラー F301-G1000」で、直径 609.6ミリメートル長さ9.5メートルの鋼管杭52本を圧入し、延長44メートルの既存護岸を強化する擁壁を構築する。施工期間は2022年2〜8月の予定だ。
同事業は、Giken Europeとアムステルダム市の護岸改修で協働するデ・コーニング社、ヴァン・ゲルダ―社が合同企業体として工事を受注した。技研ヨーロッパからは技術指導員の派遣や圧入機製品のレンタルを行う。
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