居住目的のない“空き家”は全国349万戸 国交省が相続時の発生抑制など対策委員会を設置空き家問題(2/3 ページ)

» 2022年11月02日 12時35分 公開
[石原忍BUILT]

2018年の349万戸から2030年には470万戸にまで増加

 一方で、その他空き家数の将来推計は、2025年に420万戸、2030年には470万戸にまで増えると予測されている。そのため、2021年3月に閣議決定した「住生活基本計画」では、簡単な手入れをして再活用で50万戸と、管理不全の空き家除却で20万戸の削減を目標に、2030年には400万戸程度に抑えることを目標に掲げている。

「その他空き家」数の将来推計と増加抑制 出典:第1回空き家対策小委員会 資料

 空き家になる要因は、取得経緯で「相続」が空き家全体の54.6%となり、所有者の約3割は車や電車で1時間を超える場所に住んでいることが国交省の実態調査で分かっている。同様の調査では、空き家の所有者にもヒアリングし、空き家にしておく理由を「更地にしても使い道がない」「住宅の質の低さ」「買い手/借り手の少なさ」に加えて、「解体費用をかけたくない」「労力や手間をかけたくない」といった管理面での消極的な声も挙がった(出典:国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」)。

空き家の取得経緯・所有者の居住地との関係 出典:第1回空き家対策小委員会 資料

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