Q0が目指すのは、問題解決の道筋を見いだす「人」の発掘と、多くの人を巻き込みながら成長する「コミュニティー」の創出だ。そのためには、都市と地方のあいだで双方をつなぐ活動の「場」が重要になる。人、コミュニティー、場を生み出し、地方と都市の双方で、環境や持続可能性といった社会問題に対する解決の糸口を探るという。
現在、予定されているプロジェクトは、秋田県と富山県にそれぞれ2件で合計4件ある。秋田県では、国際教養大学の学生とともに、ゼロエネルギーな暮らしをイメージしてライフスタイルを刷新する方法を考えるプロジェクトを計画。また、放牧経産牛を扱う畜産農家とは、食を含めたサーキュラーエコノミー(循環経済)の構築を考えるプロジェクトも検討している。
富山県では、循環する家具やライフスタイルの在り方を考える試みと、古民家の再生にゼロエネルギー化を採り入れる取り組みを計画している。富山県には長年続く家具家が多いが、代々続く“シキタリ”があり、新しいビジネスモデルが受け入れ難い。林氏が示す展望では、従来の家具は、古くなり壊れたら廃棄したが、Q0は回収した家具をアップサイクルし、使えるところを再利用する新しい流れを作る。
Q0では、地方のプロジェクトを2025年までに約20件実施することを目標にしている。林氏は「幅広い地域の悩みや地域の挑戦を聞かせてもらいながら、プロジェクト件数を増やしていきたい」と意欲をのぞかせた。
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