鉄骨系補強架構を利用する耐震補強工法で建築技術性能証明を取得、鴻池組導入事例

鴻池組は、既存建築物を耐震補強する工法「シースルー耐震補強工法」を開発し、日本建築総合試験所で、建築技術性能証明を取得した。今後は、既存建物の耐震改修を検討している顧客に、シースルー耐震補強工法を有効に活用した改修の提案を行う。

» 2022年09月09日 09時00分 公開
[BUILT]

 鴻池組は、既存建築物を耐震補強する工法「シースルー耐震補強工法」を開発し、日本建築総合試験所で、建築技術性能証明を取得したことを2022年6月6日に公表した。

補強部材にH形鋼の規格品を切断した小型部材を活用

 通常の鉄骨ブレースで補強した建築物では、ファサードや室内で透過性や軽快感が失われる傾向にある。そこで、鴻池組は、格子ブレースを用いた鉄骨系補強架構によって、既存建築物を耐震補強するシースルー耐震補強工法を開発した。

「シースルー耐震補強工法」を用いたオフィスでの補強イメージ 出典:鴻池組プレスリリース
「シースルー耐震補強工法」を用いて、格子グリッドを緑化ボックスで仕上げたイメージ 出典:鴻池組プレスリリース
「シースルー耐震補強工法」による宿泊施設の補強イメージ 出典:鴻池組プレスリリース

 シースルー耐震補強工法は、斜め格子状に補強部材を配置し、同じ開口率でもより高い視認性、開放性、透過性を確保し、軽快感を得られる形状としている。

「シースルー耐震補強工法」により木調のカバールーバーにて仕上げたイメージ 出典:鴻池組プレスリリース

 さらに、使用している補強架構は、枠鉄骨(枠柱、枠梁)の中に、H形鋼を高力ボルトのスプリットティ接合により組み合わせた斜め格子状の補強部材を取り付け、それらを補強接合部(間接接合部)を介して既存架構と一体化する。

 加えて、個々の補強部材にH形鋼の規格品を切断した小型部材を用いることで、構造的な補強要件だけを満足するだけでなく、意匠性や施工性に配慮している。

 また、2022年5月2日付で日本建築総合試験所から建築技術証明を取得し、第三者機関の耐震診断判定委員会でスムーズな審査を受けられる。

「シースルー耐震補強工法」の建築技術証明書 出典:鴻池組プレスリリース

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