360度画像の「RICOH360」がスパイダープラスと協業、AI画像補正やBIM連携の機能強化現場管理

リコーは、360度カメラ「RICOH THETA」を中心とするプラットフォーム「RICOH360」と、現場管理アプリ「SPIDERPLUSS」とのさらなる機能強化を図る。

» 2022年08月11日 12時00分 公開
[BUILT]

 リコーは、スパイダープラスとともに、建設業界のDX加速を目的に、リコーの360度画像/映像を中心とした業界横断型プラットフォーム事業「RICOH360」と、スパイダープラスの現場管理アプリ「SPIDERPLUSS(スパイダープラス)」事業と協業を開始すると2022年8月2日に発表した。

 リコーは360度画像/映像のプラットフォーマーとして、技術情報と機能をSPIDERPLUSに提供するとともに、建設業のユーザーニーズを踏まえた短期の課題解決、市場動向を踏まえた中長期の課題解決に向けたRICOH360の機能強化を行う。リコーとスパイダープラスの両社が知見を持ち寄り、建設業界にさらに特化したソリューションを提供することで、ユーザーのワークフローをデジタル変革することに貢献する。

AIの画像修正やBIM連携の新機能を実装

 リコーは、2013年にワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を発売以降、360度画像/映像を活用した事業の幅を広げてきた。現在では、360度画像/映像に関連するデバイスやソフトウェア、クラウドサービスを連携させて、撮影からデータ活用までのワークフロー全体を効率化するソリューションを提供し、RICOH360のプラットフォーム事業をさらに強化したSaaSビジネスを展開している。

 なかでも、建設業向けクラウドサービス「RICOH360 Projects」、不動産向けクラウドサービス「THETA360.biz」が堅調に伸びているという。特に、THETA360.bizは、既に導入企業は1万2000社以上、累計投稿画像数は2億枚と、360度のコンテンツが営業活動の促進や業務効率につながる重要な手段として浸透しつつある。

出典:リコープレスリリース

 一方でスパイダープラスは、建設業向け現場管理アプリのSPIDERPLUSを2011年から提供。今では、図面整理や写真管理、帳票出力など、建設現場の手間や段取りを削減し、生産性を向上させるソリューションとして、大手ゼネコン各社をはじめ1200社を超える企業で活用されている。また、2017年にはRICOH THETAとの連携機能を備えた。

 今回の協業では具体的な取り組みとして、リコーの360度カメラRICOH THETAの機能を拡張できるSDK(ソフトウェア開発キット)に加え、「AI超解像度/AI明るさ補正機能」「AI画像切り出し機能」といった360度画像に関わる機能をパッケージ化し、RICOH360プラットフォームとしてSPIDERPLUSへ実装するための検証を進める。AI機能連携により、「画像の鮮明度」「360度写真を加工する手間」など、これまで360度カメラを現場で活用する際にネックだった部分を解消する。

 また、BIMと360度画像とを組み合わせた新規サービス開発も検討。「3次元図面(BIM)×2次元写真(一般的な写真)」の組合せだけでは実現できない、BIMに期待される直感的なインタフェースなど、BIM本来の機能が施工管理でも最大限発揮されることを目指す。

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