民泊新法を活用した日本初のホテルを箱根で開発、サンケイビルと東急不動産プロジェクト

サンケイビルは、東急不動産とともに、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原で、新築ホテル「(仮称)箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス」の開発を進めている。ホテル内の客室「ホテルコンドミニアム」と「ホテルレジデンス」では、2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法」に基づき、購入者のオーナーがラグジュアリーホテルの1室を所有し、運営会社と賃貸借契約を締結して、オーナーが利用しない年間180日を客室提供することで賃料収入を得るというスキームを採用している。

» 2022年07月20日 09時00分 公開
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 サンケイビルは、東急不動産とともに、神奈川県足柄下郡箱根町仙石原で、新築ホテル「(仮称)箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス」の開発に着手することを2022年4月8日に発表した。

箱根登山バス「仙石原小学校前」バス停から徒歩1分の場所に立地

 開発地は、箱根登山バス「仙石原小学校前」バス停から徒歩1分の場所にあるだけでなく、東名高速道路を用いて車でもアクセスしやすい。周辺には、「箱根ガラスの森美術館」をはじめとする観光地が点在することから、観光拠点としても役立つ。

 箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンスでは、木の質感を感じられるラウンジでウエルカムサービスが受けられるようにするだけでなく、敷地内の中庭は箱根の自然をモチーフにデザインする。

「(仮称)箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス」のイメージ 出典:東急不動産プレスリリース

 建物は、総客室数が63室で、内訳は「ホテルコンドミニアム」が38室で、「ホテルレジデンス」が25室となる。

 ホテルコンドミニアムは、購入者のオーナーが所有する1室を運営会社との賃貸借契約に基づき賃貸し、オーナーは、自身が利用しない日を所定の手続きに従って、運営会社に客室として提供し、運営会社は提供のあった客室を一般利用客へ販売する。オーナーは年間100日を上限にオーナー特別料金で自己利用が可能。

 ホテルレジデンスは、オーナーが所有する1室を運営会社との賃貸借契約に基づき賃貸し、運営会社は、180日を民泊新法に基づき宿泊施設として一般利用客へ販売し、オーナーは、アメニティーなどを除き、残りの年間185日間を無料で自己利用することができる。

「ホテルコンドミニアム」と「ホテルレジデンス」の事業スキーム 出典:東急不動産プレスリリース

 両タイプは、2018年に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)を利用しており、宿泊施設として貸し出すことを前提とした新築分譲マンションで構成されるリゾート不動産商品としては日本初となる。

 各客室は、いずれも浴室やキッチンを備えた長期滞在にも快適なスイートルームプランとなっており、専有面積は約50〜80平方メートルで、4〜6人の宿泊に対応し、ホテルレジデンスでは洗濯機も完備する。

「(仮称)箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス」のラウンジ(左)とレストラン(右)のイメージ 出典:東急不動産プレスリリース

 環境配慮に関して、屋上に設置する太陽光発電設備で創出された電力を建物の共用部に活用するだけでなく、敷地内に電気自動車用の充電スタンドを設ける。さらに、現地石材を再利用し自然と一体化した温浴空間を構築する。

「(仮称)箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンス」の温泉棟のイメージ(左)と位置図(右) 出典:東急不動産プレスリリース

箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンスの概要

 箱根仙石原ホテルコンドミニアム・ホテルレジデンスは、本館と温泉棟で構成され、本館はRC造地上4階建てで、温泉棟はRC造地下1階/地上1階建てで、総延べ床面積は約6272平方メートル。

 所在地は神奈川県足柄下郡箱根町仙石原29-1他で、敷地面積は約6746平方メートル。駐車場は乗用車用の53台(従業員駐車場2台含む)分を備える。設計・監理はモーダプランニングが、デザインはUDSが、施工は日本国土開発が、運営はリロバケーションズがそれぞれ担当し、竣工と引き渡しは2023年秋を予定している。

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