NECファシリティーズは、杏風会から、熊本県荒尾市にある老人ホーム「白寿園」の建て替え工事プロジェクトを受注し、建て替えを完了して、2022年4月末に引き渡しを完了した。建て替え後の白寿園は、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指し、「ZEB(Net Zero Energy Building)」シリーズ4分類のうち「ZEB Ready」に該当する。
NECファシリティーズは、杏風会から、熊本県荒尾市にある老人ホーム「白寿園」の建て替え工事プロジェクトを受注し、2022年4月末に引き渡しを完了したことを2022年5月16日に発表した。
NECファシリティーズは、カーボンニュートラルやBCP対策を踏まえて、計画から設計、施工、運用までワンストップで建築物の省エネ・創エネを実現するZEBソリューションを2019年から提供している。
一方、白寿園は、有事には近隣の要介護者も受け入れる福祉避難所として登録されている施設で、施設の老朽化により避難所としての機能は改善が必要な状態にあり、2016年4月に発生した熊本地震では被災地への救援物資の中継拠点として機能し、施設の職員は災害時における事業継続の重要性を改めて認識するようになっていた。
さらに、老朽化を受けて白寿園の建て替えが検討される中、豪雨、地震などの激甚化への備えや社会的に関心が高まっているカーボンニュートラルを考慮し、NECファシリティーズはレジリエンスを強化したZEBソリューションを白寿園に提案して、ZEB化に向けた計画のコンサルティングと施工を受注した。
今回の建て替えプロジェクトでは、BEMS(Building and Energy Management System)、太陽熱温水システム、潜熱回収ボイラー、高効率空調機、全熱交換器、調光・人感センサーとタイマー制御のLED照明、Low-E複層ガラスを採用した他、壁、天井、基礎下にウレタンによる断熱を施した。
災害対策として、災害非常用自家発電機、太陽光発電、蓄電池の導入しただけでなく、省エネ性と利用者への快適な空間提供のため、以前から設置されていた地中熱利用換気空調システムを再活用している。
こういった省エネと創エネの設備を完備した結果、設計上における建物の消費エネルギーを67%削減し、新しい白寿園はZEB Readyを実現した。
加えて、ZEB支援事業に関する補助金では、NECファシリティーズが、建築物のZEB認証を取得しただけでなく、経済産業省が扱う補助金「レジリエンス強化型ZEB支援事業」の採択に際し、白寿園の代行として申請業務を行い補助金を得た。
また、NECファシリティーズは、微細な振動と粉じんも許されない半導体工場での工事ノウハウを生かし、白寿園が事業を継続する中で工事を進め、利用者への音や振動、粉じんの影響に配慮しながら円滑に工事を完了した。
今後は、ZEBソリューションを含めたカーボンニュートラル関連事業で2025年までに年間50億円の売上を目指す。
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