NTT都市開発は、大成建設とともに、福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目で開発を進めている複合施設「博多イーストテラス」に、トラッキング付き非化石証書を利用した実質再生可能エネルギーを導入する。
NTT都市開発は、大成建設とともに、福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目で開発を進めている複合施設「博多イーストテラス」の1階にカフェ&バー「FUGLEN(フグレン)」と「(仮称)博多イーストテラススモールオフィス」が入居する他、実質再生可能エネルギーを導入することを2022年5月24日に発表した。
FUGLENは、ノルウェー・オスロに本店があるカフェで、2012年に海外進出第1号店を東京・渋谷にオープンし、現在首都圏でロースター(焙煎所)を含め4店舗を展開している。
博多イーストテラススモールオフィスは、NSFエンゲージメントが運営するスモールオフィスで、リモートワークを取り入れたニューノーマルな働き方に対応する施設。具体的には、個別空調の完全個室やコラボレーションスペース、情報発信用のスタジオ、Web会議ブースを備えるだけでなく、ワーケーション拠点としても使え、ビジネスの持続的な成長につながるようなサービスも用意する。
さらに、博多イーストテラスの利用契約企業だけでなく、建物の2階以上に配置されたオフィスに入居する企業の使用にも応じる時間貸会議室を併設し、ビル全体の利便性向上に貢献する見通しだ。
共用部と専有部で使用される全ての電力については、トラッキング付き非化石証書を利用した実質再生可能エネルギーを導入する。こういった取り組みにより、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)におけるCO2排出量の削減を図る他、建物に入居する全企業にCO2排出量実質ゼロの電気を使えるように、「RE100※1」や「SBT※2」といった国際イニシアチブにも対応する。
※1 RE100:企業が事業の使用電力を100%再エネで賄うことをめざす国際的なイニシアチブ。
※2 SBT:パリ協定に準拠した科学的根拠に基づいた企業の温室効果ガス排出削減目標。
BCP対策に関して、コア外周部に鉄骨制振梁(はり)を採用した制振構造により建物の剛性を高め耐震性を向上させるとともに、貸室内の柱面積を減らし基準階面積約2247.93平方メートルの整形無柱空間を構築。
加えて、屋上に非常用発電機・受変電設備を搭載し、敷地周辺で最大2メートルの浸水があったとしてもビルの主要設備(管理事務所やMDFなど)が浸水しないように設計し、洪水などの災害発生時でも迅速なビル機能復旧が行えるように仕上げる。
また、停電リスクを回避し、停電時における早期の復旧を達成するため「近接変電所から地中引込み・架空引込みの異なる配電網による2回線受電」が行えるようにし、共用部で最大72時間運転可能な非常用発電機を完備する。
各階の貸室も1平方メートル当たり15ボルトアンペアの電源供給を72時間行えるようにし、希望の入居者が活用する専用の発電機設置スペースを屋上に用意するだけでなく、停電時でも最大72時間のトイレ使用を実現する設備を設ける。
博多イーストテラスは、RC造(一部S造)地上10階/塔屋1階建てで、延べ床面積は約2万9200平方メートル。所在地は福岡県福岡市博多区博多駅東一丁目18番33号で、敷地面積は約4900平方メートル。用途は事務所、店舗、駐車場。設計・施工は、大成建設が担当し、着工は2020年7月で、竣工は2022年8月を予定している。
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