大阪市中央区で延べ4.6万m2の複合施設を開発、JR西日本不動産開発プロジェクト

JR西日本不動産開発は、ヒューリックや竹中工務店、パルコとともに、「(仮称)心斎橋プロジェクト」として、大阪府大阪市中央区で複合施設を開発している。

» 2022年05月26日 11時00分 公開
[BUILT]

 JR西日本不動産開発は、ヒューリックや竹中工務店、パルコとともに大阪府大阪市中央区で計画を進めている「(仮称)心斎橋プロジェクト」の概要を2022年5月10日に発表した。

大阪メトロ御堂筋線/長堀鶴見緑地線「心斎橋」駅に直結

 開発地は、大阪のメインストリートである御堂筋と長堀通に面した「心斎橋」の交差点に位置し、視認性が高い場所にある。

 心斎橋プロジェクトでは、長年にわたり心斎橋エリアの賑(にぎ)わいをけん引してきた「心斎橋プラザビル(本館・東館・新館)」と「心斎橋フジビル」を建て替え、新たなランドマークとして、店舗、宿泊施設、事務所から成る複合施設を開発する。

 今回の複合施設は、地下2階/地上28階建てで、地下2階は大阪メトロ御堂筋線/長堀鶴見緑地線「心斎橋」駅に直結し、駅利用者と来街者が季節や天候にかかわらず快適に使える利便性の高い施設を目指す。

「心斎橋プロジェクト」で開発する建物のイメージ 出典:JR西日本不動産開発プレスリリース

 建物は、制振構造を採用し、制振デバイスと座屈補剛ブレースを完備することで、変形抑制や安全性と居住性の向上を両立するだけでなく、震度7クラスの地震が発生しても人命を守れ、補修することで継続して建物を使える耐震性能を確保する。

 外観は、心斎橋の華やかな文化やイメージを意識し、時代を超えてエリアの力を映し出す「Quartz(石英)」をコンセプトとした他、高層部は上昇感を演出し、ランドマーク性を強調するデザインとして、中層部と低層部はボリュームを分節させて街並みになじむデザインとすることで、心斎橋エリアの新たなシンボルにふさわしい発信力と調和を備えた外観とする見込みだ。

「心斎橋プロジェクト」で開発する建物の内容 出典:JR西日本不動産開発プレスリリース

 地下2階〜地上6階には、多様な用途の店舗を誘致し、心斎橋エリアの賑わい創出に貢献する。具体的には、御堂筋・長堀通に面するメゾネット店舗にはラグジュアリーブランドの誘致を計画しており、テナントの個性を生かしたファサードを形成することで、関西有数のショッピングストリートに新たな魅力を創出する見通しだ。

 8〜14階には、駅直結で希少性が高いオフィスを構築し、1フロアは79.3〜885.95平方メートルまでの分割に対応して、多様なニーズに応じられるようにする。さらに、8階のオフィスロビーは、2層吹き抜けの開放的な空間として、御堂筋を望む屋外テラスと接続し、オフィスワーカーや来街者にゆとりとくつろぎを与える空間に仕上げる。

「心斎橋プロジェクト」で開発する建物の屋外テラス 出典:JR西日本不動産開発プレスリリース

 16〜28階には、ヒューリックグループが運営する「ザ・ゲートホテル」を、関西エリア旗艦店として開業する。今回のザ・ゲートホテルは、シリーズ最大の220を超える客室を搭載し、くつろげる部屋を用意する他、地上約120メートルの最上階には、大阪の景色を一望するルーフトップバーを設け、顧客が多様なシーンで楽しめる空間を提供。

 環境配慮に関して、「Low-e複層ペアガラス」などを活用し高断熱化を図り、高効率照明や給湯・空調換気設備、BEMSの導入により、CO2排出量と一次エネルギー消費量を減らす。加えて、太陽光発電、マイクロコージェネ、中水・雨水利用、給湯・空調エネルギー熱回収システム、厨房換気変風量制御、気化熱利用外調機、自然換気なども用いる。

 BCP対策については、災害時に向け、非常用発電機を設置し電源を確保して、受水槽と雑用水槽によりトイレ給水を確保し、下水道破断時に備えて排水槽を用意する。また、水害対策として電気室、通信機器室、防災センターを浸水レベル以上の高さに設け、被害を抑える。

心斎橋プロジェクトの概要

 建物は、地下2階/地上28階建てで、高さが約132メートルで、延べ床面積は約4万6284平方メートル。所在地は大阪府大阪市中央区南船場三丁目8番4他(地番)で、敷地面積は約3289平方メートル。用途は店舗、宿泊施設、事務所で、竣工は2026年2月を予定している。

「心斎橋プロジェクト」で開発する建物の位置図 出典:JR西日本不動産開発プレスリリース

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