リョービは、停電時にドアを少し開けるだけで、電動で開閉する装置「RUCAD(ラクアド)」のバッテリー内蔵タイプを開発したことを公表した。
高齢者や障害者が生活する戸建て住宅や働くオフィスでは、バリアフリーの実現と利便性向上を目的に、自動開閉するドアが求められている。
そこで、リョービは、少し開けるだけで、玄関ドアが電動で開閉する装置「RUCAD(ラクアド)」を2019年5月15日に発売した。さらに、停電時でもドアを自動開閉するRUCADのバッテリー内蔵タイプを開発した。同社は、「NIKKEI MESSE」(会期:2022年3月1〜4日、東京ビッグサイト)内の「建築・建材展2022」で、RUCADやバッテリー内蔵タイプ、ノブがなく自動で開閉するドア「未来のホテルドア」を紹介した。
会場で、リョービ 建築用品本部 営業部 営業推進課 グループリーダー 伊豆俊介氏に、RUCADやバッテリー内蔵タイプ、未来のホテルドアについて聞いた。
――RUCADの機能とは?
伊豆氏 RUCADは、アームセット、取り付け板、ブラケット・リンク、電源コード、外部配線用配線ボックス、ACアダプター、アダプターホルダーなどで構成され、開きドアに搭載することで、自動開閉機能を付与する。具体的には、RUCADを装着したドアは、軽く押すあるいは引くことで、電動自動開閉機能が作動する他、ブラシレスギアードモーターを採用しており、開閉時の作動音は小さく、最大消費電力は15キロワットとエコな設計となっている。
さらに、ドア開き速度を2段階で調整可能で、ドアが全開位置で停止している時間を自由に設定(最大約15秒)できるため、車いすやベビーカーを利用する人が通行しやすく、荷物の搬入にも役立つ。加えて、メーカーを問わず対応寸法内(幅800〜950ミリで、重さは15〜65キロ)であれば、使用中のドアクローザーとの取り換えに応じ、特殊な工事や技術は不要なため、誰でも取り付けられる。
安全性に関しては、開閉中でもドアを押さえるだけで電動自動開閉を制御可能で、停電になった場合でも手動操作で扱える。
また、人感センサーを含む各種センサーや顔認証システム、スマートフォンを用いた遠隔操作に対応するため、新型コロナウイルス感染症対策で役立つ。例えば、人感センサーとRUCADを連携することで、人が近づくだけでドアの自動開閉を実現する。
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